「カゴメのトマトジュースにはどんな効果があるの?」
「トマトジュースの健康効果は本当に得られるの?」
などの疑問はありませんか?
この記事では、カゴメトマトジュースの効果、それに対する管理栄養士の本音についてお話しします。
カゴメトマトジュースの効果は?
カゴメトマトジュースの効果を見ていきましょう。
善玉コレステロールを増やす ことをサポート
カゴメは、毎日の血中コレステロール対策に向け、善玉(HDL)コレステロールを増やす方法に着目、そして長年の研究の結果、トマトなどに多く含まれる「リコピン」を8週間継続して摂取することで、善玉(HDL)コレステロールを増やす機能があることを確認しました。
カゴメトマトジュース(カゴメ株式会社)より引用
リコピンとは、カロテノイドの一種で赤色の色素のことです。
抗酸化作用が強く、動脈硬化予防や肌の老化防止効果が期待できるとされています。
また、リコピンはいくつかの研究により、
HDLコレステロールを増加させることや、LDLコレストロール・中性脂肪の低下が報告されています。
その影響により、動脈硬化や心疾患の発症を低減するとされています。
カゴメの機能性成分届出情報では、
生鮮トマトで22.5mg/日以上、またジュースやサプリメントで15mg/日以上の
トマト由来のリコピンを8週間以上摂取すると、血中のHDLコレストロールを増やす作用があるとする研究報告を根拠としています。
そのため、カゴメトマトジュースによる善玉(HDL)コレステロールを増やす効果の可能性を得たい場合は、
1日コップ1杯(200ml)を8週間以上摂取し続ける必要があります。
血圧が高めの方の血圧を下げる ことをサポート
野菜ジュースに含まれるGABA(ギャバ)に高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されています。
カゴメトマトジュース(カゴメ株式会社)より引用
GABA(ギャバ)はアミノ酸の一種で、さまざまな働きが期待されていることから、健康機能成分として注目を集めています。
野菜の中でもトマトには比較的多くのGABAが含まれています。
GABA(γ- アミノ酪酸)とは、遊離アミノ酸の一種で、動物・植物を問わずさまざまな食品に含まれている成分です。
血圧降下作用やストレス緩和効果が得られると報告されています。
血圧調整は主に「交感神経」によってコントロールされています。
交感神経が興奮すると、ノルアドレナリンが放出され血管が収縮し血圧が上昇します。
その際に、GABAによってノルアドレナリンの分泌が抑制され、血圧上昇が抑えられるとされています。
この作用は、特に血圧が高めの人に効果的で副作用も認められないとしています。
また、正常血圧者が摂取しても血圧変動が無いことも確認されており、
優れた特徴の成分であると評価されています。
また、カゴメの機能性成分届出情報では、
1日当たり12.3mgのGABAを12週間以上摂取することで、
高血圧者(140~159(mmHg)/90~99(mmHg))に対して血圧を低下させる作用があること、
血圧が高めの方(130~139(mmHg)/85~89(mmHg))にも同様に血圧低下作用があること、
正常値血圧者の血圧には影響がないこと、
これらの研究報告を根拠としています。
そのため、カゴメトマトジュースによる血圧降下作用の可能性を得たい場合は、
1日コップ1杯(200ml)を12週間以上摂取し続ける必要があります。
管理栄養士の本音
カゴメのトマトジュースは
「HDLコレステロール増加」や「血圧が高めの人の血圧を下げる」といった嬉しい効果が期待でき、
副作用の心配もなく、安全性も高く、非常に優秀です。
しかし、あくまで食品に含まれている成分には、
「そういう効果がありますよ!」
というだけであって、
効果が得られるか否かは、その人次第です。
もちろん効果が無い人もいます。
職業柄、栄養指導などでサプリメントを試しているのに効果が無い。
サプリメントや食事の力で、検査値が改善した。という人たちを大勢見てきました。
大事なのは「リコピン」「GABA」が自分の体に合うかどうか。です。
逆に体に合う人は、しっかりと効果として現れてきます。
健康食品、サプリメントすべてに当てはまることですが、
その食品成分が持つ効果は嘘ではありません。
しかし、その効果が表れない人もいます。
健康食品、サプリメントを試すときは、
その効果を得られる条件を満たすこと。
摂取前後の評価ができること。
この2つが大切です。
今回の場合、HDLコレステロールと血圧ですが、
前回の健康診断で異常があると言われた方は、
次回の健康診断の3か月前から、トマトジュースを飲み続け、
健康診断の結果が良くなっていた場合、トマトジュースの効果が表れている可能性が高いといえます。
その後トマトジュースを1年間飲み続け、再度健康診断で血液検査結果に異常が無い場合は、トマトジュースが体に合っているということです。
効果が証明できるまでに時間はかかりますし、
証明出来てからも摂取し続ける必要がありますが、健康への投資と考えて取り入れ続けることが大切です。
また、体質は日々変わるため、
トマトジュースの効果を得られていた方でも、いずれトマトジュースの効果が得られなくなる時もあります。
その時々の変化にいかに合わせられるか、
行動を見つめ直せるかが大切になってきます。
食品からの健康効果を得ることは、意外と難しいということを理解しておきましょう。
それでいて、健康食品だけに頼るだけではなく、
主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事や運動、良質な睡眠も重要です。
生活習慣で乱れているところがある場合は、それを改善することから始めましょう。
まとめ
カゴメのトマトジュースには、
善玉コレステロールを増やすことをサポート
血圧が高めの方の血圧を下げることをサポート
する可能性に期待ができます。
安全性も高いため、試してみる価値はありますが、
その結果が得られる条件通りに飲み続けること、効果が得られるかどうかを評価できること状況であることが大切です。
もちろん人間全員に効果があるわけではないため、健康食品に頼るだけではなく、日々の生活習慣を正すことが最も重要です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考
GABA経口摂取による自律神経活動の活性化,藤林真美.神谷智康.高垣欣也.森谷敏夫,日本栄養・食糧学会誌 第61巻 第3号,2008,129-133
ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察,佐々木泰弘.河野元信,美味技術研究会誌 No.15:32-37,2010