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【管理栄養士解説】脱脂粉乳が現在の給食にも出てくる理由

脱脂粉乳と聞くと戦後の給食というイメージがありますが、現在の給食でも使用されているのをご存じですか?

実はそれには理由があるんです。

この記事では、脱脂粉乳が現在の給食にも出てくる理由についてお話しします。

脱脂粉乳とは

(出典:amazon.co.jp

脱脂粉乳とは、牛乳(生乳)から脂肪と水分を取り除き粉状にした食品のことです。

スキムミルクと呼ばれることもあります。


牛乳と同程度のカルシウム含有量があり、

エネルギーと脂質が少ないため、ダイエットや筋トレをしている人も取り入れている食材です。

脱脂粉乳について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

脱脂粉乳(スキムミルク)とは?栄養やメリットについて【管理栄養士解説】

脱脂粉乳が給食に出てくる理由

戦後しばらくの間は、牛乳の代替品として給食で提供されていましたが、

次第に牛乳へと代わり、その姿を見る機会は減っていきました。

しかし、現在の給食でも提供している学校もあります。その理由を見ていきましょう。

1. 栄養価管理

学校給食では、国が定めている「学校給食摂取基準」により、提供するべき栄養素基準が定められており、この数値を満たすように献立を作成しています。(図1)

図1:学校給食において摂取すべき各栄養素の基準値等(学校給食摂取基準の策定について(報告)(文部科学省)をもとに筆者作成)

これを見てわかるように、「カルシウム」も基準が決まっており、

カルシウム補給のために、脱脂粉乳を採用している施設もあります。

ただ、カルシウム補給を目的とした場合、牛乳も同程度のカルシウム含有量であることから、

より身近な食材で、より美味しい牛乳を採用している学校の方が多いです。


また、カルシウムだけでなく、エネルギー脂質なども基準が定められています。

牛乳ではなく脱脂粉乳を献立に入れることで、その分のエネルギーや脂質を他の料理に回すことができ、

ボリュームのある主菜を提供することもできます。

2. 安価

また、学校給食は1食当たりの値段が250円ほどと決まっています。

物価高騰のなか、学校給食費は変わらずに一定の金額で推移しています。

食材を購入することができなく、満足のいく給食を提供できなくなっている学校もあります。

脱脂粉乳は牛乳と比べるとやや安いため、脱脂粉乳を採用しているという学校もあるでしょう。

3. 食育

普通は牛乳だけど、月に1回もしくは年に数回脱脂粉乳が出てくるという学校もあるでしょう。

その場合は、食育が大きな目的です。

学校給食は、心身の発育のためにバランスの取れた食事を提供することだけでなく、

食に関する指導を効果的に進めるための重要な教材としての役割があります。

戦後の食事を学ぶことや、牛乳以外にもカルシウム補給ができる食材があることを知ってもらうために提供している場合もあります。

4. 味変

こちらも毎日ではなく、たまに脱脂粉乳が出てくる学校にある理由ですが、

味変のためという理由もあります。

毎日牛乳を飲んでいたら飽きてしまう。喫食率が低下してしまう。

それを防ぐために、ときどき脱脂粉乳を提供している施設もあります。

たまにジョアが出てきたのも同じ理由です。

まとめ

脱脂粉乳が現在の給食にも出てくる理由は、以下の通りです。

1. 栄養価管理(カルシウム補給、エネルギー・脂質コントロール)

2. 安価(食材費を抑えるため)

3. 食育(戦後の食事を学ぶこと、様々な食材を知ってもらうため)

4. 味変(毎日牛乳を提供していると飽きてしまう可能性があるため)

昔の食材というイメージが強いかもしれませんが、カルシウム補給ができる食材としては非常に優れています。

学校給食だけでなく、家庭料理(シチューやお菓子作り)にも活用してみてはいかがですか?

最後までお読みいただきありがとうございました。



参考

学校給食摂取基準の策定について(報告),学校給食における児童生徒の食事摂取基準策定に関する調査研究協力者会議(令和2年12月),(文部科学省)