脱脂粉乳(スキムミルク)がどういうものなのかご存知ですか?
実は、子供から高齢者まで栄養補給に使える優れものなんです。
この記事では脱脂粉乳についてお話しします。
脱脂粉乳とは
脱脂粉乳とは、牛乳(生乳)から脂肪と水分を取り除き粉状にした食品のことです。
スキムミルクと呼ばれることもあります。
栄養面では、牛乳同様カルシウム含有量に優れており、
カルシウム補給として取り入れられることが多いです。
牛乳同様の栄養価を有していることから、戦後しばらくの間は牛乳の代替飲料として学校給食などで使用されていました。
また現在でも学校(保育)給食として使用されていたり、パンやシチューのコクを出す隠し味として使用されています。
脂肪分が除かれているため、普通の牛乳と比べると「美味しくない」と感じる人が多いようです。
しかし、最近の脱脂粉乳は企業努力により、味も申し分ない商品もあります。
脱脂粉乳の使い方(飲み方)
脱脂粉乳の使い方(飲み方)は非常に簡単で、
粉末と水(ぬるま湯)を混ぜるだけで完成です。
※たんぱく質が入っているため、熱湯で混ぜるとダマになってしまいます。
使用量は、粉末1:水9の割合が標準です。
通常使用(コップ1杯分)の場合、粉末20gに対して水180mlを混ぜることが多いです。
その他にも、
コーヒーに入れて飲んだり、コクを引き出すために料理に入れたりして使います。
牛乳と脱脂粉乳の栄養素の違い
牛乳コップ1杯(200g)と、それ相当の脱脂粉乳(20g)を比べてみました。
牛乳(200g) | 脱脂粉乳(20g) | |
エネルギー(kcal) | 122 | 71 |
たんぱく質(g) | 6.0 | 6.1 |
脂質(g) | 7.0 | 0.1 |
炭水化物(g) | 8.8 | 11.0 |
カルシウム(mg) | 220 | 220 |
牛乳と比べると脱脂粉乳の方が、
エネルギーと脂質が少ないことが分かります。
また、牛乳と同程度のカルシウムが含まれていることが分かります。
ここには記載しませんでしたが、他のビタミン・ミネラルに関しても牛乳と脱脂粉乳には大きな差がありませんでした。
脱脂粉乳のメリット
①カルシウム補給ができる
カルシウムは、男性で750mg、女性で650mgが必要ですが(30~74歳)、
国民健康・栄養調査(令和元年)では、平均摂取量が男性395mg、女性406mg(30~39歳)と大きく不足しており、問題となっています。
カルシウムが不足する原因は、摂りづらい栄養素だからです。
カルシウムは乳製品や小魚などに多く含まれていますが、これらは普通の料理ではメイン食材にならないため、気を付けないと摂れていないことが多いです。
また、乳製品や小魚を摂る習慣がある人でも、牛乳コップ1杯でカルシウム220mgと、必要量の約1/3しか摂ることができないため、気を付けている人でも不足してしまうことがあります。
脱脂粉乳は、そんなカルシウムを手軽に摂れるとして非常に優れています。
②動物性の脂質を摂らずに済む
カルシウムを摂るために牛乳を飲んでいる人も多いと思いますが、
牛乳には動物性の脂質(飽和脂肪酸やトランス脂肪酸などの摂りすぎると身体に悪い脂質)が多く含まれています。
それにより、血中中性脂肪値の悪化やコレステロール値の悪化などが起こる可能性があります。
脱脂粉乳では、脂質が除かれているため脂質の摂取量に気にせず飲むことができます。
また、脂質が無いことによりエネルギーも少なく、ダイエットや筋トレをしている人などにも適しています。
③安価
脱脂粉乳は、バターやチーズなど他の製品を使用した余りを加工に回していることや、
水分を除いているため一度に多くの量を供給でき、配送料や梱包、資材料などを減らせるため、やや低価格で流通しています。
物価上昇で生活が厳しくなっている今、低価格であることは大きなメリットです。
④保存が効く
牛乳は保存期間が短いのに対して、脱脂粉乳は水分を除いているため、長期間保存することができます。
そのため、牛乳のように毎週買う必要が無く、
業務用の品を1つ買うだけで、1~2か月ほどもつ場合もあります。
食中毒の危険性も少なく管理できるため、無駄なく使うことができます。
まとめ
脱脂粉乳とは、牛乳(生乳)から脂肪と水分を取り除き粉状にした食品のことです。
スキムミルクと呼ばれることもあります。
飲み方は、粉と水を混ぜるだけで簡単で、他にも料理のアクセントとして使われています。
栄養価を牛乳と比較すると、エネルギーと脂質は少ないが、微量栄養素にはほとんど差が無いことが分かりました。
脱脂粉乳にはカルシウムが摂れる、動物性脂質を摂らずに済む、安価、保存が効くなどのメリットがあります。
味の良し悪しは人によりますが、カルシウムなどの栄養補給ができる優れた食材ですので、興味のある方は一度試してみてはいかがですか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考