「老人性うつが増えていると聞いて不安だな。」
「うつと食事にはどんな関係があるんだろう?」
などのお悩みはありませんか?
この記事では、うつ病とは、心の健康に必要な脳内ホルモンとその材料(栄養)などについてお話しします。
目次
うつ病とは
うつ病とは脳内のトラブルが原因で心が弱る病気です。
気分の落ち込みや不安、意欲の低下などが症状として現れます。
心の変調に早く気付くことがポイント
うつ病に早く気づくためには、ちょっとしたうつ病の「サイン」を見逃さないことがポイントです。
少しでも「おかしいな」「どうも様子がいつもと違う」と感じたら、
まずは簡単な自己チェックをしてみましょう。
▢ 朝、いつもより早く目が覚める
▢ 朝、起きたとき、陰気な気分がする
▢ 朝、いつものように新聞やテレビを見る気になれない
▢ 服装や身だしなみにいつものように関心がない
▢ 仕事にとりかかる気になかなかなれない
▢ 仕事にとりかかっても根気がない
▢ 決断がなかなかつかない
▢ いつものように気軽に会う気になれない
▢ 何となく不安でイライラする
▢ これから先やっていく自信がない
▢ 「いっそのこと、この世から消えてしまいたい」と思うことがよくある
▢ テレビがいつものように面白くない
▢ 寂しいので誰かにそばにいてほしい、と思うことがよくある
▢ 涙ぐむことがよくある
▢ 夕方になると気分が楽になる
▢ 頭が重かったり痛んだりする
▢ 性欲が最近は落ちた
▢ 食欲も最近落ちている
※上記のような状態が「長く続いている」なら、うつ病の可能性があります。
「ときどきある程度」であれば、それほど心配はいりません。
(チェックシートはあくまで目安です。診断を確定するものではありません。疑われる症状がある場合は専門医を受診することを推奨します。)
(笠原嘉「軽症うつ病」,1996年より一部改変)
脳内ホルモンとは
脳内ホルモンとは、脳内でホルモンのような働きをする神経伝達物質です。
※神経伝達物質は正確にはホルモンではありませんが、慣用的な表現として「脳内ホルモン」という言葉で説明します。
脳内ホルモンがうまく作られないと、心の不調の原因になるとされています。
そんな脳内ホルモンはアミノ酸から作られるため、たんぱく質の摂取が重要です。
また、たんぱく質以外にもビタミン・ミネラルも必要になってきます。
心が不安定になったときには、
「もしかして、脳内ホルモンの材料不足かも?」
と食事(栄養面)を見直すことも大切です。
代表的な脳内ホルモン
脳内ホルモンの中でも、心の健康に大切な5つの神経伝達物質を紹介します。
セロトニン(幸せホルモン)
〈アミノ酸〉から〈ナイアシン・葉酸・マグネシウム・鉄・ビタミンB6・C・D・亜鉛〉が使われて、
セロトニンが合成されます。
気分の安定や不安をやわらげる作用があります。
リズミカルな運動やスキンシップなどで分泌が促進し、
炎症では分泌が低下します。
メラトニン(睡眠ホルモン)
〈セロトニン〉から〈マグネシウムなど〉が使われて、
メラトニンが合成されます。
体内時計を調整して自然な眠りをいざなう作用があります。
太陽の光を浴びることで14~16時間後に分泌されます。
ブルーライトにより分泌が抑制されます。
ドーパミン(やる気のホルモン)
〈アミノ酸〉から〈ナイアシン・葉酸・マグネシウム・鉄・ビタミンB6・C・D・亜鉛〉が使われて、
ドーパミンが合成されます。
わくわくしたり、「またやりたい!」など、報酬を得たときに出る快楽ホルモンです。
ノルアドレナリン(集中力ホルモン)
〈ドーパミン〉から〈ビタミンC・銅〉が使われて、
ノルアドレナリンが合成されます。
集中力・意欲・積極性・活力・記憶力を高め、痛みを緩和する作用があります。
元々は、身の危険を感じるストレスに対処するために分泌されていましたが、
現代では、各種ストレスに対処するために分泌されています。
GABA(リラックスホルモン)
〈アミノ酸〉から〈ビタミンB6・C・D・亜鉛・マグネシウム〉が使われて、
GABAが合成されます。
興奮を抑える、事務的作業による一時的・心理的なストレス低減するなどの作用があります。
たんぱく質・ビタミン・ミネラルが入った栄養補助食品を活用しよう
たんぱく質・ビタミン・ミネラルを食事から摂るのも、もちろん大切ですが、
うつ状態など心が不調のときは、料理を作る気にもなれず、食事も思うように摂れない場合もあるかと思います。
そうすると、栄養状態が悪化し、脳内ホルモンの材料も不足してしまいます。
そのような場合は、たんぱく質・ビタミン・ミネラルの入っている栄養補助食品の活用がおすすめです。
栄養補助食品は、少ない動作で食べる事ができますし、吸収されやすいように調整されているため、普通の食材に比べて栄養素による効果を得やすいです。
おすすめの栄養補助食品3選
「迷ったらコレ!」
アミノ酸・ビタミン・ミネラルがバランスよく配合されている。
病院や介護施設での使用実績も多く、信頼性が高い。
amazonや楽天で購入することができ、他の栄養補助食品に比べると比較的安く試しやすい。
「アミノ酸の配合量がやや多め、
植物性たんぱく質を取りた方へ!」
メイバランスminiと比べると、アミノ酸の配合量がやや多い。
ビタミン・ミネラルも配合されているため、脳内ホルモン合成に必要な材料を摂取することができる。
amazon・楽天・公式サイトで購入することができ、送料などを考慮すると楽天が一番安い。(2024年4月5日現在)
「ビタミン・ミネラル大量補給に!」
たんぱく質含有量は12gとこの3つの中で一番多いが、アミノ酸バランスが悪く、脳内ホルモンの材料となるアミノ酸は少量しか入っていない。
しかし、ビタミン・ミネラルを高容量摂ることができるため、野菜や果物の摂取量が少ない人などにおすすめ。
ただし、マグネシウム・銅に関しては多く含まれていない。
また、ビタミン・ミネラルが高容量含まれているため、1日1個までが上限。
amazon・楽天・公式サイトで購入することができ、公式サイトよりamazon・楽天で買うほうが安く買える。
まとめ
うつ病とは脳内のトラブルが原因で心が弱る病気です。
気分の落ち込みや不安、意欲の低下などが症状として現れます。
脳内ホルモンとは、脳内でホルモンのような働きをする神経伝達物質です。
なかでも代表的な脳内ホルモンが、セロトニン・メラトニン・ドーパミン・ノルアドレナリン・GABAの5つです。
それらを作るには、アミノ酸(たんぱく質)・ビタミン・ミネラルが必要なため、食事をしっかりと食べる必要があります。
うつ状態で料理を作るのが億劫な場合や、食事摂取量が減少している場合は栄養補助食品の活用がおすすめです。
医師・栄養士の指導を受けている方は、指導に基づいて使用されることを推奨します。
また、栄養補助食品の多量摂取により、健康が増進するものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。
参考
坪井康次「患者のための最新医学 うつ病 改訂版」,高橋書店,2023年8月,10~11.46~47.53
奥平智之「最新版 マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ」,主婦の友社,2022年11月,46~47
功刀浩「薬だけに頼らず うつがみるみる遠ざかる 食べ方大全」文響社,2023年6月,50
↑その他にも、うつ病の症状、どんな病気か、なぜ起こるか、どう治すかなど細かく書かれています。
↑その他にも、血糖に関して、栄養素、奥平式食事栄養療法(奥平先生の症例)などが書かれています。
↑その他にも、うつを遠ざける食事の食べ方や栄養素、うつが遠ざかる食べ方などについて書かれています。