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【健康診断】コレステロール・中性脂肪の見方と食事対策

「LDLコレステロールが高い場合って何が原因?どうすればいいの?」

「中性脂肪が高くなってしまったんだけど、どうしよう。」

などのお悩みはありませんか?

この記事では、健康診断で検査されることの多いコレステロールや中性脂肪などの脂質関連項目の見方や食事対策についてお話しします。

脂質検査の各指標

脂質関連の検査では、

「HDLコレステロール」

「LDLコレステロール」

「中性脂肪(TG)」

の3つが主な指標です。

それぞれ一つずつ、お話ししていきます。

HDLコレステロール

出典:amazon.co.jp

HDLコレステロールは、体内の余分なコレステロールを肝臓へ運び、動脈硬化を抑えることから、

善玉コレステロールとも呼ばれています。

基準値

40mg/dl以上

HDLコレステロールは40mg/dl未満で異常値となり、

低値で問題となります。(低HDLコレステロール血症)

女性ホルモンにより、HDLコレステロールを上昇させると考えられているため、

男性より女性の方が高値で推移することが多いです。

異常値になる原因

遺伝により生まれつきHDLコレステロールが低い場合もあります。

もしくは、生活習慣の乱れやその他疾患、薬剤の影響により後発的に、HDLコレステロールが低くなる場合もあります。

生活習慣では、喫煙習慣・肥満・運動不足などがHDLコレステロールを下げる主な要因です。

食事対策

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂りすぎを避ける

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂りすぎにより、HDLコレステロールが低下するとされています。

飽和脂肪酸を多く含む、肉、牛乳、バターなどの動物性脂肪や、

トランス脂肪酸を多く含む、マーガリン、ショートニング、洋菓子などは食べすぎないようにしましょう。

野菜をしっかり摂る

野菜には食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維によりコレステロールの吸収や脂質の吸収が緩やかになります。

また、野菜に含まれているリコピンやカロテノイド、ポリフェノールなどにより、HDLコレステロールを増やす効果に期待をすることもできます。

野菜を1日350gを目安に摂るようにすると良いでしょう。

運動をする

食事対策ではないですが、HDLコレステロールを増やすには運動が効果的とされています。

運動習慣のない人は運動習慣を構築するようにしましょう。

LDLコレステロール

出典:amazon.co.jp

LDLコレステロールは、肝臓から全身へコレステロールを運ぶはたらきがあり、

コレステロールを運びすぎると動脈硬化の原因になることから、LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれています。

基準値

140mg/dl未満

LDLコレステロールは140mg/dl以上で異常値となり、

高値で問題となります。(高LDLコレステロール血症)

異常値になる原因

遺伝によりLDLコレステロールが高くなってしまう指定難病の「家族性高コレステロール血症」による場合もあります。

もしくは、脂質の過剰摂取や運動不足などの生活習慣の乱れや、糖尿病などの他疾患の関連が原因の場合もあります。

食事対策

コレステロール摂取量を抑える

LDLコレステロールが高い場合は、コレステロール摂取量を200mg/日までに抑えるようにすることが望ましいです。

食事によるコレステロールの摂取は血中コレステロール値に直接影響を与えないとされていますが、コレステロールの多い食品は飽和脂肪酸などの脂質も多く含むため摂りすぎは良くないです。

特にコレステロールを多く含む卵は1日1個までが良いでしょう。

食物繊維を多く摂る

食物繊維の摂取により、コレステロールの吸収を抑えてくれる効果に期待ができます。

食物繊維を多く含む野菜や海藻、キノコなどしっかりと食べるようにしましょう。

良質な脂質を摂る

多価不飽和脂肪酸などの良質な脂質は、LDLコレステロールを下げる働きがあります。

しかし中にはHDLコレステロールまで下げてしまうものもありますので、

LDLコレステロールだけを下げるとされている、n-3系脂肪酸や一価不飽和脂肪酸を摂るようにしましょう。

n-3系脂肪酸は魚などに、一価不飽和脂肪酸はオリーブオイルなどに多く含まれています。

中性脂肪(TG)

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中性脂肪はトリグリセリド(TG)と表されることもあります。

エネルギー源としての役割や、エネルギーの貯蔵などに関与しています。

基準値

50~149mg/dl

中性脂肪は150mg/dl以上で異常値となり、

高値で問題となります。(高トリグリセリド血症)

男性は40代、女性は50~60代に高くなりやすいです。

また、女性は男性より10~20mg/dlほど低いとされています。

異常値になる原因

中性脂肪が高値になるのは、原発性(一次性)の場合と続発性(二次性)の場合があります。

原発性は家族性複合型高脂血症などによるもので、続発性は過食・高脂肪食・他疾患によるもの・薬剤投与によるものなどによるものであるため、

続発性による場合が多いです。

食事対策

糖質摂取量を抑える

糖質はエネルギー源として重要な栄養素ですが、

エネルギーとして使われなかった分は中性脂肪に変わり、体内に蓄えられてしまいます。

また、糖質の中でも果物に多く含まれている「果糖」の摂りすぎも中性脂肪を上げる要因とされています。

糖質が多く含まれている主食や果物は適量に抑えるようにしましょう。

アルコールを飲みすぎない

アルコールの代謝過程で、中性脂肪の原料となる脂肪酸が増加します。

また、アルコールは1g当たり7kcalと少量高カロリーですので肥満になりやすくなります。

これらにより、中性脂肪が上昇するとされています。

アルコールは1日1合程度に抑えるようにしましょう。

n-3系脂肪酸を積極的に摂る

魚などに多く含まれているn-3系脂肪酸には、中性脂肪を減らす効果が期待できます。

脂質値が異常値な人は、魚より肉を多く食べる習慣が多いので、

魚を多く食べる事を習慣付けるようにすると良いでしょう。

まとめ

健康診断の脂質関連項目の見方と食事対策についてお話ししました。

HDL・LDL・中性脂肪、それぞれに異なるアプローチ方法がありますが、

3つに共通していえることは肥満改善と運動・バランスの良い食生活は基本ということです。

生活習慣の改善に付随して、それぞれに良いとされる食事対策を取り入れるようにすると効果的です。

最後までお読みいただきありがとうございました。



参考

菅野義彦,「見方がわかれば味方になる!栄養指導にいかす検査値の読み取りポイント」,メディカ出版,2020年5月,92~97

奈良信雄,「オールカラー やさしくわかる 看護師のための検査値パーフェクト事典」,ナツメ社,2022年4月,184~185.188~191

道又元裕,「臨床判断を鍛える アセスメント力がつく 検査値の読み方」,ナツメ社,2021年9月,153~158