記事内に広告を含みます

筋トレに最適なPFC『2:2:6』について、注意点も説明

「筋トレ時の最適なPFC比を教えて欲しい」

「PFCは2:2:6が良いの?」

などのお悩みはありませんか?

この記事では、筋トレに最適なPFC「2:2:6」についてお話しします。

筋トレ時のPFCバランス

日本人の食事摂取基準2020年版では、18~49歳の男女共通で、

P:13~20% F:20~30% C:50~65%

の比率内に収めることが健康的であるとして策定されています。

そのため、これが基本のPFC比となります。


そして筋トレ時に最適なPFCについては、様々な意見があります。

特に、たんぱく質の摂取量を増やすというものが多いです。

筋肉量を増やすためには、たんぱく質の摂取量を増やすことが効果的ではありますが、

増やしすぎると不健康な値になってしまいます。

不健康なPFC

筋トレ者向けのPFCとして、

P:20~30% F:20% C:50~60%

P:体重×2g F:20% C:残り全て

などの情報が出回っています。

1日6回、1回20gたんぱく質を摂取する場合などは、この比率で食事を摂っているのではないでしょうか。

また、体重×2g以上のたんぱく質を摂取している方もいると思います。


確かに筋肉にたんぱく質は必要ですが、

摂りすぎると腎臓に負担がかかり、腎機能の悪化につながります。


ボディビルダーやコンテスト出場を目標としている人など、筋肉に命を懸けている人は、不健康を承知の上でこの比率の食事を摂っています。

そのような人たちに感化されて、同じ食事を摂りたいと思っている方はそれでいいですが、

一般の方で、かつ筋肉への思いが少ない人は、

不健康なPFCではなく、ギリギリ許容範囲のPFCでたんぱく質を補給することを推奨します。

ギリギリ許容範囲のPFC

日本人の食事摂取基準2020年版のギリギリ範囲内のPFC比が、

P:20% F:20% C:60%

「2:2:6」です。

たんぱく質を最大限摂ることができ、余分な脂肪の蓄積を防げる栄養バランスで、最も筋量アップに適しています。


たんぱく質を過剰摂取している人に比べると、筋力増強速度がやや劣る可能性もありますが、

十分に筋肉を成長させることができるPFC比だと考えます。

できるだけ健康に筋肉を付けたい、モテるために筋肉を付けたいと考えている方は、

「2:2:6」をおすすめします。

エネルギー別「2:2:6」一覧表

本気で筋トレをしていると、体重や筋肉量の増加に伴い摂取エネルギーが日々変化します。

それを、いちいち計算するのが面倒くさい人向けに、

各摂取エネルギー量に対する「2:2:6」比率のPFC量を一覧にしました。

※説明不要かとは思いますが、炭水化物・糖質に関してはどちらか一つを選んでください。

※糖質に関しては3.75kcal/gで、食物繊維25g(2kcal/g)を引いた分で算出しましたが、難消化性デキストリンを使用する場合は数値が変わりますのでご了承ください。

エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
糖質
(g)
食物繊維
(g)
160080.035.624024822~25
165082.536.7247.525622~25
170085.037.825526422~25
175087.538.9262.527222~25
180090.040.027028022~25
185092.541.1277.528822~25
190095.042.228529622~25
195097.543.3292.530422~25
2000100.044.430031222~25
2050102.545.6307.532022~25
2100105.046.731532822~25
2150107.547.8322.533622~25
2200110.048.933034422~25
2250112.550.0337.535222~25
2300115.051.134536022~25
2350117.552.2352.536822~25
2400120.053.336037622~25
2450122.554.4367.538422~25
2500125.055.637539222~25
2550127.556.7382.540022~25
2600130.057.839040822~25
2650132.558.9397.541622~25
2700135.060.040542422~25
2750137.561.1412.543222~25
2800140.062.242044022~25
2850142.563.3427.544822~25
2900145.064.443545622~25
2950147.565.6442.546422~25
3000150.066.745047222~25
3050152.567.8457.548022~25
3100155.068.946548822~25
3150157.570.0472.549622~25
3200160.071.148050422~25
3250162.572.2487.551222~25
3300165.073.349552022~25
3350167.574.4502.552822~25
3400170.075.651053622~25
3450172.576.7517.554422~25
3500175.077.852555222~25

「2:2:6」の注意点

「2:2:6」活用時の注意点を2つお話しします。

たんぱく質は上回らないこと、脂質は下回らないこと

たんぱく質・脂質は、日本人の食事摂取基準2020年版のギリギリ範囲です。

炭水化物(糖質)はどうでも良いんですが、たんぱく質過剰、脂質不足には気を付けてください。

特に、たんぱく質に関してはプロテイン飲料の飲む過ぎで超過してしまう可能性がありますのでご注意ください。

脂質は、足りないと思ったらオリーブオイル、えごま油などを適量飲めば足りるでしょう。

たんぱく質は標準体重×2gを超えないこと

筋トレによって体重が増え、エネルギー必要量が増えたとしても、腎臓の大きさは変わりません。

腎機能には制限があります。

腎臓を守るためにも、たんぱく質は標準体重(BMI22)×2gを超えないようにしてください。


例えば170cmの人が、2800kcalの食事をするとします。

その場合、たんぱく質摂取量は140gとなっていますが、

170cmの人の標準体重は63.6kgですので、たんぱく質は127.2gまでに抑えるようにしてください。

基準値からたんぱく質を12.8g減らした分、炭水化物を12.8g増やせば大丈夫です。

まとめ

筋力トレーニングをしている人は、PFC比に気を使っている人も多いと思います。

ただ、たんぱく質が過剰なPFCバランスは管理栄養士の立場からはお勧めできません。

ギリギリ許容範囲内の「2:2:6」のPFC比をおすすめします。

しかし、それに則ったとしても、たんぱく質が標準体重×2gを超えないように注意してください。

筋肉に命を懸けている方は、腎機能の悪化に気を付けてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。



参考

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書,「日本人の食事摂取基準」策定検討会(厚生労働省)