「摂取カロリーの目安を知りたい」
「1日どれくらい摂って良いの?」
などの疑問はありませか?
この記事では、1日に必要なエネルギー量の目安についてお話しします。
目次
エネルギー必要量の算出方法
エネルギー必要量を算出する方法はいくつかあります。
また、そのいずれもに欠点があり、多種多様な人間に対しての完璧な計算方法は無いと考えています。
今回は、その中でもよく用いられている2つを紹介します。
ハリスベネディクトの式
ハリスベネディクトの式が最も使用されている計算式です。
この計算式は年齢・身長・体重・性別から「基礎代謝量」を求めることができ、
基礎代謝量に「活動係数」や「ストレス係数」を乗じてエネルギー必要量を算出することができます。
しかし、欧米人のデータをもとに作られたものであるため、日本人にはやや高い値になってしまうという欠点があります。
日本人の後期高齢者とは特に相性が悪く、後期高齢者への臨床の場での計算には用いづらい式です。
成人の場合は、活動係数を低めに設定することで近しい値を算出することができますので、十分応用できる計算式だと考えます。
体重のみによる簡易計算式
ハリスの次によく使われる計算式です。
これは、体重に身体活動量(25~35)乗じて求めるだけの簡易計算式です。
60㎏の場合、60×25~35=1500∼2100kcalとなります。(実際に使用する場合は、こんな大雑把に求めません。)
体重のみで計算できるため簡単ですが、年齢への考慮が難しく成人の場合は必要量より低い値になってしまうことが欠点です。
高齢者の場合はハリスよりこっちの方が、近しい値が出る場合もあるので、こっちを参考にすることもあります。
私個人的にはあまり好きな式ではありません。
必要エネルギー量を推定する場合に暗算することはあっても、この式をもとに実際の栄養指導をすることはありません。
あくまで、「簡易」の計算式だということを理解しておきましょう。
年代ごとのエネルギー必要量【男性版】
今回は、ハリスベネディクトの式を用いて各年代ごとにエネルギー必要量を算出しました。
活動係数は1.65、ストレス係数は1.0で設定したため、
健康な人で、出勤時や職場で体を使う場面がある方という想定です。(徒歩業務有りのの営業マンくらい)
(家から出ない方・リモートワークの方は、もう少し低い値だと思っていてください。)
(反対に、重労働の方・激しい運動する方は、もう少し高い値だと思っていてください。)
※一人ひとり基礎代謝量は違いますので、あくまで目安です。
表の見方
表で説明するのですが、
自分の身長と、自分の現体重をみて、どの程度のエネルギー量が必要なのか。
痩せたい場合、太りたい場合は、どの程度のエネルギー量にすればいいのか。
といった感じで見ていただくと、わかりやすいと思います。
例えば、170㎝,80㎏,3050kcalと書かれている場合、3050kcal摂取することを推奨しているのではなく、
3050kcalを摂取すれば、80㎏を維持できるでしょう。というように「摂取目安量」を表しています。「推奨量」ではありません。
20代
20代の場合は、2250~3150kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-200~300、活動量の多い方は+200~300程度で見てください。
30代
30代の場合は、2150~3050kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-200~300、活動量の多い方は+200~300程度で見てください。
40代
40代の場合は、2000~2950kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-200~300、活動量の多い方は+200~300程度で見てください。
50代
50代の場合は、1900~2850kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-150~250、活動量の多い方は+150~250程度で見てください。
60代
60代の場合は、1800~2700kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-100~200、活動量の多い方は+100~200程度で見てください。
年代ごとのエネルギー必要量【女性版】
男性版同様、ハリスベネディクトの式を用いて各年代ごとにエネルギー必要量を算出しました。
活動係数は1.5、ストレス係数は1.0で設定したため、
健康な人で、職場や家事で体を使う場面がある方という想定です。(職場で立ち仕事があり、家事・買い物もする方くらい)
(家から出ない方・リモートワークの方は、もう少し低い値だと思っていてください。)
(反対に、重労働の方・激しい運動する方は、もう少し高い値だと思っていてください。)
※一人ひとり基礎代謝量は違いますので、あくまで目安です。
表の見方
こちらも先ほど同様、表で説明しますが、
自分の身長と、自分の現体重をみて、どの程度のエネルギー量が必要なのか。
痩せたい場合、太りたい場合は、どの程度のエネルギー量にすればいいのか。
といった感じで見ていただくと、わかりやすいと思います。
例えば、160㎝,70㎏,2270kcalと書かれている場合、2270kcal摂取することを推奨しているのではなく、
2270kcalを摂取すれば、70㎏を維持できるでしょう。というように「摂取目安量」を表しています。「推奨量」ではありません。
20代
20代の場合は、1800~2300kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-100~200、活動量の多い方は+100~200程度で見てください。
30代
30代の場合は、1750~2250kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-100~200、活動量の多い方は+100~200程度で見てください。
40代
40代の場合は、1650~2150kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-100~200、活動量の多い方は+100~200程度で見てください。
50代
50代の場合は、1600~2100kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-50~100、活動量の多い方は+50~100程度で見てください。
60代
60代の場合は、1500~2050kcal/日程度が妥当であると考えます。
活動量の少ない方は-50~100、活動量の多い方は+50~100程度で見てください。
日本人の食事摂取基準に策定されている推定平均エネルギー必要量
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』にも、推定エネルギー必要量が策定されているため、それもご紹介します。
日本人の食事摂取基準では上図のように策定されており、
年代と身体活動レベルによって推定エネルギー必要量が表されています。
しかし、身長・体重は考慮されていないという欠点があります。
そのため、ウエストランド井口と城田優のエネルギー必要量が同じと仮定することになってしまいます。
また、オードリー若林と春日のエネルギー必要量が同じと仮定することになってしまいます。
女性でいうと、おかずクラブのオカリナと北川景子のエネルギー必要量が同じと仮定することになってしまいます。
また、ハリセンボン近藤春奈と箕輪はるかのエネルギー必要量が同じと仮定することになってしまいます。
日本人の食事摂取基準に策定されている推定エネルギー必要量も、あくまで「目安」というわけです。
まとめ
エネルギー必要量を求める場合、ハリスベネディクトの式や簡易計算式などいくつかの算出方法がありますが、
ハリスベネディクトの式が最も応用しやすい計算式です。
しかし欧米人のデータをもとにしているため、やや高めの数値が出てしまうという欠点があります。
それを考慮して取り入れると良いでしょう。
この記事では目安として、活動係数1.65(男性)、1.5(女性)ストレス係数1.0で算出した値を表にしました。
また、日本人の食事摂取基準で策定されている推定エネルギー必要量もご紹介しました。
エネルギー必要量は一人ひとり違うため、あくまでも「目安」の数値しか出すことができません。
本当の必要量を知りたい場合は、スポーツジムなどで生体電気インピーダンス法で測れる体組成計を使い、基礎代謝を計測し、活動量などを考慮して算出すると良いと思います。
自宅で管理したい方は、やや高いですが以下のような体組成計も売っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考