「体脂肪を減らす栄養素ってあるの?」
「最近体脂肪が増えてきちゃったな」
などの疑問やお悩みはありませんか?
この記事では、体脂肪を減らす可能性のある栄養成分についてお話しします。
目次
体脂肪を減らす可能性のある栄養成分
体脂肪を減らす可能性のある栄養成分について、研究報告などをもとにお話しします。
難消化性デキストリン
脂質検査項目が高め(総コレステロール220mg/dl以上あるいは中性脂肪150mg/dl以上)の男性12人を対象とした研究で、
難消化性デキストリン10gを1日3回毎食時(30g/日)、3か月間摂取させたところ、
体脂肪率・総コレステロール・中性脂肪が有意に低下したと報告されています。
また、体重・腹囲・ヒップ囲・血圧も若干減少したが、有意差は無かったとしています。※1
難消化性デキストリンを摂ってすぐに効果が期待できるわけではなく、
耐糖能改善にに伴う二次的な効果のため、12週間以上継続的に摂取する必要があり、
12週間後も摂取をやめることで、脂肪がつきやすい体に逆戻りすることも考えられます。
難消化性デキストリンは以下の記事でも詳しくまとめています。興味のある方はご覧ください。
難消化性デキストリンの効果や摂取時のポイントなど【高齢者と栄養】MCT(中鎖脂肪酸)
MCT(中鎖脂肪酸)は、ココナッツオイルなどに多く含まれている脂肪酸で、
他の脂肪酸とは代謝経路が異なるため、消化・吸収が速く、短時間でエネルギーとして使用されため、体脂肪として蓄積されにくいという特徴があります。
健康な男女82人(平均BMI24.6)を対象とした研究では、
「中鎖脂肪酸摂取群」と「サラダ油(長鎖脂肪酸)摂取群」に分け、いずれかの油1日14gを含む食事を12週間継続したところ、
中鎖脂肪酸摂取群では、体脂肪量・内臓脂肪が有意に減少したと報告されています。
また、BMIが高めの方(BMI25以上)では、腹囲も有意に減少したと報告されています。※2
BMIが高めな方(肥満体型の方)には有効である可能性が高いです。
ただし、MCTも脂質ですので摂りすぎは逆効果ですので、規定量の摂取を心がけましょう。
MCTは以下の記事でも詳しくまとめています。興味のある方はご覧ください。
MCT(中鎖脂肪酸)の効果や摂取時のポイントなど【高齢者と栄養】カルニチン
カルニチンは、長鎖脂肪酸(脂質)をミトコンドリア内へ運ぶことで、脂肪酸の燃焼をサポートしています。
カルニチンとは(補食ナビ)
糖質や脂質はミトコンドリア内でエネルギーに変換されます。
しかし、脂肪(脂肪酸)単体ではミトコンドリア内に入れないため、
カルニチンによって運んでもらう必要があります。
このことから、カルニチンが不足すると脂肪燃焼効率が低下する可能性が考えられます。
また、カルニチンを補給しただけでは脂肪は燃焼されず、運動などにより脂肪燃焼を促すことでカルニチンの脂肪燃焼サポート効果も発揮されるでしょう。
カルニチンは以下の記事でも詳しくまとめています。興味のある方はご覧ください。
カルニチンとは|効果や多く含む食べ物について【高齢者と栄養】エラグ酸
エラグ酸とは、ザクロなどに含まれているポリフェノールの一種です。
健康な40~59歳の男女(BMI25以上30未満:肥満)を対象とした研究で、
アフリカマンゴノキから抽出したエラグ酸(3mg/日)を含む食品を12週間摂取した結果、
体重・体脂肪・血中中性脂肪・内臓脂肪・腹囲・BMI値について介入群および対照群それぞれの試験前後の変化量を比較すると、
介入群(エラグ酸を摂取した群)で有意に減少したと報告されています。
別の研究では、健康な30歳~59歳の男女(BMI20以上30未満:標準~肥満)を対象として、
エラグ酸(47mg/日)を含むザクロ果皮抽出物を12週間摂取した結果、
血中中性脂肪について介入群および対照群それぞれの試験前後の変化量を比較すると、
介入群(エラグ酸を摂取した群)で有意に減少したと報告されています。※3
エラグ酸の体脂肪減少効果が出ているのは、BMI25以上の肥満体型の方のみです。
それ以下(標準体型)の方では効果が得られないと考えた方が良いでしょう。
クロロゲン酸
クロロゲン酸とは、コーヒーなどに含まれているポリフェノールの一種です。
食事から摂取した糖質や脂質のうちエネルギーとして使われなかったものは、
一度クエン酸となった後、肝臓で脂質へ再合成され、体脂肪として蓄積されます。
クロロゲン酸は、肝臓での脂質再合成を抑制します。
そのため、体脂肪として蓄積されるはずの脂質が少なくなり、
体脂肪が低減する可能性があります。※4
クロロゲン酸は以下の記事でも詳しくまとめています。興味のある方はご覧ください。
【管理栄養士も驚き】クロロゲン酸の効果がすごかった!!効果14選まとめヒドロキシクエン酸(HCA)
ヒドロキシクエン酸とは、ガルシニア(植物)に含まれる成分のことです。
ヒドロキシクエン酸は、余分な糖質を脂肪として蓄積させにくくする作用や、
蓄積された過度の脂肪をエネルギー源として利用させる作用が認められています。
ヒドロキシクエン酸250mg/日以上の摂取で、運動中の脂肪燃焼を高める作用が報告されていたり、
750mg/日以上の摂取で、内臓脂肪や皮下脂肪が有意に減少したとする報告がされています。※5
葛の花由来イソフラボン
葛の花にはイソフラボンが豊富に含まれています。
肥満の方(BMI25~30)を対象とした研究で、
葛の花由来イソフラボンの摂取により、腹部脂肪面積・体重・胴囲を減少させるとする報告がいくつかあり、
摂取期間は4~12週、葛の花由来イソフラボン22~42mg/日摂取したとする報告で、
内臓脂肪・皮下脂肪・体重・腹囲の有意な減少が認められたとのことです。※6
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン
ブラックジンジャーにはポリメトキシフラボンという成分が含まれています。
健康な20~64歳の男女(BMI23~30)を対象とした研究で、
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを12mg/日、12週間継続摂取した結果、
腹部の脂肪面積が有意に減少したと報告されています。※7
ターミナリアベリリカ由来没食子酸
ターミナリアベリリカ由来没食子酸とは、ターミナリアベリリカという果物から抽出される成分のことです。
ターミナリアベリリカ由来没食子酸には、脂肪分解酵素を阻害する作用があり、それによって食後中性脂肪の上昇を抑制するとされています。
健康な成人を対象とした研究では、
ターミナリアベリリカ由来没食子酸を41.6mg/日摂取することで、
内臓脂肪・皮下脂肪・体重・BMIの有意な低減が認められたと報告されています。※8
まとめ
体脂肪を減らす可能性のある栄養成分では、
脂肪の吸収を抑えるもの。
脂肪の蓄積を抑えるもの。
脂肪の燃焼をサポートするもの。
などの特徴がありました。
しかし、これらの栄養成分が含まれているサプリを飲むだけで、体脂肪が少なくなることは現実的には難しいでしょう。
研究では「肥満者では結果が出ている」とするものが多かったため、肥満体型でない方の場合はさらに結果として現れにくいと考えられます。
ただ、難消化性デキストリンやクロロゲン酸などは、このほかにも健康効果が高く、総合的に見て積極的に摂取するのはありかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考
※1 内臓脂肪蓄積に及ぼす難消化性デキストリン長期投与の影響,岸本由香.若林茂.徳永勝人,日本食物 繊維 研究会誌Vol.4 No.2(2000)
※3 シボヘルスPREMIUM(プレミアム)(H1059) |機能性表示食品データベース
※4 花王 | 栄養代謝の研究開発 | クロロゲン酸類の体脂肪低減メカニズム
※5 大麦若葉青汁(I102) |機能性表示食品データベース
※6 脂肪減少源EX PREMIUM(イーエックスプレミアム)(H578) |機能性表示食品データベース