「ときどき、食物繊維(難消化性デキストリン)配合と書かれているものがありますが、難消化性デキストリンとは何ですか?」
「難消化性デキストリンを摂ることによって得られる効果を教えてください。」
「難消化性デキストリンが入っている栄養補助食品を教えてください。」
などのお悩みはありませんか?
この記事では、難消化性デキストリンの効果や摂取についてのポイント、難消化性デキストリンが摂れる栄養補助食品などについてお話します。
目次
難消化性デキストリンとは
難消化性デキストリンとは、食物繊維の一種でヒトの消化酵素によって消化されないデキストリンの総称です。
食物繊維とは、
ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総称です。
食物繊維は消化されないため、栄養の効果を得ることができませんが、
いくつかの生理作用を持っていることが発見されたため、栄養素として身体に必要なものと考えられています。
食物繊維には、水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類があります。
近年、食物繊維のもつ生理作用とその機構との関係が明らかにされてきており、
不溶性と水溶性では、それぞれ別の生理作用があることが分かっています。
また、難消化性デキストリンは「水溶性食物繊維」に分類されます。
デキストリンとは、
じゃがいもやトウモロコシなどの「でんぷん」を分解して作られた物です。
さらに、精製を行い、食物繊維画分を取り出して調整したものが難消化性デキストリンです。
難消化性デキストリンは、
「使いやすい物性」
「安全性」
「生理機能」
に関するエビデンスの豊富さから、日本のみならず世界中で使用されています。
また、特定保健用食品(トクホ)の3割以上に採用されている(2015年時点)など、
健康的な素材として注目されています。
難消化性デキストリンに期待できる効果
食事(特に糖質)を取ると、血糖値が上昇します。
その血糖値の上昇を抑えるために、インスリンというホルモンが分泌されます。
それにより、血糖値の上昇が落ち着き(血糖値150ほどで)徐々に低下していく、というのが健康な人の体の中で起こることです。
難消化性デキストリンを、炭水化物の多い食事と一緒に摂取すると、物理的作用により糖質の吸収が遅れ、食後の血糖値上昇が緩やかになります。
血糖値の上昇が緩やかになるため、インスリンの分泌量も少量で済みます。
それにより、インスリン分泌の上昇も緩やかになります。
「血糖値が高めですね。」
などの指摘を受けたことがある方は、食事と一緒に難消化性デキストリンを取り、食後の血糖上昇を抑えるサポートをしてあげると良いと思います。
食事(特に脂質)を取ると、食事(脂質)が中性脂肪へと変化し、筋肉や脂肪組織に運搬されます。
そのため、食後は血中の中性脂肪の値が上昇します。
難消化性デキストリンを、脂質を含む食事と一緒に摂取すると、脂肪酸の吸収が抑制されることで食後の中性脂肪上昇が緩やかになります。
難消化性デキストリン10gを、1日3回、3か月間継続して摂り続けた結果、高値だった中性脂肪とコレステロールが低下したことが報告されています。
難消化性デキストリン10gを、1日3回、食事と共に12週間(3か月)継続して摂り続けた結果、内臓脂肪面積が減少したことが報告されています。
難消化性デキストリンは、腸内で善玉菌を増やし、腸内細菌叢を改善することで、整腸作用が得られます。
また、高齢者では食事摂取量の減少、運動不足、筋力の低下などの理由から便秘になることが多いです。
還元難消化デキストリンと高齢者との研究で、排便回数や排便日数の増加、便の性状の改善効果などが認められたとされています。
食物繊維はミネラルの吸収を阻害するとされていましたが、
難消化性デキストリンは、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の吸収を促進することが動物実験で確認されました。
低粘度で腸内細菌に利用されやすいことから、大腸でのミネラル吸収を促進するとされています。
難消化性デキストリンを摂るときのポイント
難消化性デキストリンは、食事と一緒に摂ることで「血糖値」「中性脂肪」「内臓脂肪」などに良い効果を期待できることが分かっています。
食事と一緒でなくても「整腸作用」などの効果は期待できますがせっかくなら食事と一緒に摂る方が様々な健康効果を期待できます。
また、食物繊維に関して言うと、食事30分前から摂取することでその効果を得やすいともされているので、食事前から少しずつ摂るようにすると良いでしょう。
難消化性デキストリンは、水に溶ける性質を持っているので、
食事中のお茶に入れることも良いですが、味噌汁などの汁物に入れるのもおすすめです。
どのような効果を得たいか、人それぞれですが、
1日5gまたは10g摂取することで、排便回数の増加など整腸作用を得ることができるとされています。
血糖値では、難消化性デキストリン5gと食事を一緒に摂ることで、血糖の上昇特性効果を得られたとする研究があります。
また、先ほども記載したように10gを1日3回摂取することで、「中性脂肪・コレステロール低下」「内臓脂肪減少」などの効果を得られる可能性があります。
どのような効果を得たいかによって目安量は異なりますが、1日5~30gほどを目安にしましょう。
難消化性デキストリンは食物繊維の一種ですので、摂りすぎにより逆に消化器症状が悪化する可能性があります。
私の実体験ですが、食物繊維を摂りすぎると腹痛・下痢になってしまいます。
食物繊維はヒトの消化酵素で消化できない成分です。
食物繊維の摂りすぎや、一気に摂ることで体に負担がかかってしまいます。
体質に合わない場合はやめましょう。
ただ、私の経験談で言うと、難消化性デキストリンの摂りすぎで下痢になったことはありません。
低粘度であることが関係しているのかなと思っています。
あと、いつもは食物繊維を摂ると腹痛が起こるのに、難消化性デキストリンを摂っても腹痛が起こらないので、難消化性デキストリンは食物繊維ではないのではないかとも思っています笑。(冗談です。食物繊維です。)
いずれにせよ、体質に合わない場合は使用を中止してください。
難消化性デキストリン配合のおすすめの栄養補助食品
難消化性デキストリンが5.1g含まれている。
(商品6g当たり)
難消化性デキストリンを粉末状にした商品であり、水やお茶などの飲料に溶かしたり、汁物に溶かしたり、ご飯を炊くときに混ぜたりして使用する。
余分なカロリーを摂らずに摂取できるため、
加齢による変化(食事摂取量減少や筋力低下)などが起きているわけではないが、健康を維持するために難消化性デキストリンを摂りたいという方におすすめ。
シャンピオニン、カテキン、ビフィズス菌に関しては悪いものではないので特に気にしなくていい。
良い効果は期待できるが、個人差が大きい。
メーカー | メディファイン | 内容量(g) | 6 |
用途 | 食物繊維補給 | エネルギー(kcal) | 13 |
難消化性 デキストリン(g) | 5.1 | たんぱく質(g) | 0 |
アレルゲン | – | 脂質(g) | 0 |
PFC比 | – | 炭水化物(g) | 5.8 |
味の種類 | – | 食塩相当量(g) | 0 |
備考 | シャンピオニン カテキン ビフィズス菌配合 | 水分量(g) | – |
難消化性デキストリンが5.7g含まれている。
1本18gのゼリー状で手軽に食べられる点が魅力。
サイズが小さく保管しやすいこと、いつでも食べられることなどから、
カバンの中に入れておいて外食前に食べたり、
会社のデスクに置いておき昼食前に食べられるなど様々なシーンで活用できる。
乳酸菌も配合されているため整腸作用に期待ができる。
メーカー | メディファイン | 内容量(g) | 18 |
用途 | 食物繊維補給 | エネルギー(kcal) | 16 |
難消化性 デキストリン(g) | 5.7 | たんぱく質(g) | 0 |
アレルゲン | りんご | 脂質(g) | 0 |
PFC比 | – | 炭水化物(g) | 6.9 |
味の種類 | 1種類 | 食塩相当量(g) | 0.06 |
備考 | 乳酸菌配合 | 水分量(g) | – |
難消化性デキストリンが5.0g含まれている。
その他にもオリゴ糖・乳酸菌が含まれていることから、整腸作用に期待ができる。
糖質が多く含まれているため、血糖上昇抑制には向かない。
ビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため、1日1本が目安。
食物繊維による効果や微量栄養素による健康効果を得たい方におすすめ。
メーカー | クリニコ | 内容量(ml) | 125 |
用途 | ビタミン・ ミネラル・ 食物繊維補給 | エネルギー(kcal) | 75 |
難消化性 デキストリン(g) | 5.0 | たんぱく質(g) | 0.3 |
アレルゲン | 乳 オレンジ※ りんご※ | 脂質(g) | 0 |
PFC比 | 1:0:99 | 炭水化物(g) | 23.4 |
味の種類 | 3種類 | 食塩相当量(g) | 0.03 |
備考 | ビタミン・ ミネラル配合 オリゴ糖・ 乳酸菌配合 | 水分量(g) | 111 |
※オレンジ味にはオレンジを、アップル&キャロット味にはりんごを含む。
難消化性デキストリンが5.0g含まれている。
その他にもオリゴ糖・乳酸菌が含まれていることから、整腸作用に期待ができる。
学会分類2021コード0jの商品のため、嚥下能力が低下していても取り入れることができる。
栄養成分はくだものの栄養とほぼ同じ。
糖質が多く含まれているため、血糖上昇抑制には向かない。
ビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため、1日1本が目安。
食物繊維による効果や微量栄養素による健康効果を得たい方におすすめ。
メーカー | クリニコ | 内容量(g) | 78 |
用途 | ビタミン・ ミネラル・ 食物繊維補給 | エネルギー(kcal) | 100 |
難消化性 デキストリン(g) | 5.0 | たんぱく質(g) | 0 |
アレルゲン | 乳 大豆 | 脂質(g) | 0 |
PFC比 | 0:0:100 | 炭水化物(g) | 29.2 |
味の種類 | 4種類 | 食塩相当量(g) | 0.03~ 0.1 |
備考 | ビタミン・ ミネラル配合 オリゴ糖・ 乳酸菌配合 学会分類2021 コード0j | 水分量(g) | 48.6 |
難消化性デキストリンが4.5g含まれている。
プラス、イヌリン1.5gは含まれており、食物繊維総量は6.0g。
パラチノース、高分岐デキストリン、ラクチュロースと糖質の配合が特殊で、血糖上昇へ配慮されていることが分かる。
食事摂取量が低下していて、栄養補助食品を飲みたいが、普通の栄養補助食品では血糖値が急上昇してしまうという方(膵臓のはたらきがかなり弱い方)におすすめ。
メーカー | クリニコ | 内容量(ml) | 125 |
用途 | エネルギー・ たんぱく質・ 食物繊維補給 | エネルギー(kcal) | 200 |
難消化性 デキストリン(g) | 4.5 | たんぱく質(g) | 7.5 |
アレルゲン | 乳 大豆 | 脂質(g) | 8.9 |
PFC比 | 15:40:45 | 炭水化物(g) | 27.1 |
味の種類 | 2種類 | 食塩相当量(g) | 0.28 |
備考 | イヌリン1.5g パラチノース 高分岐デキストリン ラクチュロース MCT4.1g 乳酸菌配合 | 水分量(g) | 93 |
まとめ
難消化性デキストリンとは、食物繊維の一種でヒトの消化酵素によって消化されないデキストリンの総称です。
食物繊維の一種であり、物性、安全性、生理機能に優れており、日本だけでなく世界中で使用されています。
食後血糖上昇抑制や食後中性脂肪上昇抑制、整腸作用などが期待できます。
必要量はどのような効果を期待したいかによりますが、5~30gを目安にすると良いでしょう。
しかし、体質に合わずに消化器症状が出てくる場合もありますので、体調に合わせて飲むようにしましょう。
そんな難消化性デキストリンが入っている栄養補助食品もご紹介しました。
医師・栄養士の指導を受けている方は、指導に基づいて使用されることを推奨します。
また、栄養補助食品の多量摂取により、健康が増進するものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。
参考