記事内に広告を含みます

食事の誤嚥対策|飲み込みやすい食品、飲み込みやすくする方法【高齢者と健康】

「誤嚥しないようにするにはどうしたらいいでしょうか?」

「飲み込みやすい食品や、食品を飲み込みやすくする方法を教えて欲しい」

などのお悩みはありませんか?

この記事では、食事の誤嚥対策や、飲み込みやすい食品、飲み込みにくい食品、飲み込みやすくする方法についてお話しします。

食事の誤嚥対策

①口腔環境

高齢者では唾液の分泌が低下しやすいため、口腔内が乾燥しやすいです。

口腔内が乾燥していると上手く咀嚼ができないため、適度に湿潤な状態であることが望ましいです。

また、入れ歯の不具合は咀嚼不良の原因となりますので、きちんと装着できているか確認しましょう。

②環境を整えよう

食事に集中できる環境を整えるようにしましょう。

テレビがついていたり、音楽が流れていたり、食事以外で気を取られる状況であれば、

食事に集中できるように、テレビや音楽を消すようにしましょう。

③嚥下しやすい姿勢

嚥下機能に合わせて、安全に嚥下できる姿勢にすることが大切です。

身体機能に合わせて机や椅子の高さ、クッションなどを調整しましょう。

椅子での姿勢の場合、座骨、膝、かかとが90度であることが望ましいです。

下半身が安定することで、上半身がリラックスし、口や喉の動きが良くなります。

ベッド上での場合、介助有りでは30度、自力摂取では60度が良いとされています。

④自分に合った食器を使おう

身体機能に合った食器を使用することも大切です。

特にスプーンは小さすぎても、大きすぎても良くないですので、

一口大が確保できるスプーンを選びましょう。

また、器を上手く持てない場合は、「自助食器」と呼ばれる食器を試してみるのも良いでしょう。

⑤適切な食形態

嚥下能力に適している食形態を選ぶようにしましょう。

上手く咀嚼ができない場合は、きざみ食やソフト食、ペースト食での対応にしましょう。

また、上手く嚥下ができない場合は、ソフト食ペースト食などの口腔内でまとめやすい食形態にしましょう。

液体の場合は、とろみをつけるなどすると飲み込みやすくなります。

⑥一口量

食塊を形成できる一口量ずつ食べるようにしましょう。

多すぎると、咽頭での食物残渣が増え、誤嚥のリスクが高まります。

少なすぎると、有効な嚥下刺激が得られずに誤嚥しやすくなってしまいます。

高齢者向けの介護食も
一緒にチェック!

飲み込みやすい食品

ツルっとしている

滑りが良く張りつかないもので、液体より動きが遅いものは飲み込みやすいです。

食品例
  • ゼリー
  • ムース
  • プリン
  • 茶わん蒸し
  • 絹ごし豆腐

適度なとろみがある

液体でも動きが遅いものや、ゆっくり流れるものは飲み込みやすいです。

食品例
  • お粥
  • ポタージュ
  • ヨーグルト
  • アイス

適度なねばりがある

やわらかく塊を保てるものや、ねばりが強すぎないものは飲み込みやすいです。

食品例
  • バナナ
  • もも
  • メロン
  • とろろ
  • 生卵

飲み込みにくい食品

噛み切りにくい

繊維の多いものや、弾力の強いもの、すじのあるものは飲み込みにくいです。

食品例
  • ごぼう
  • たけのこ
  • いか・たこ
  • すじ肉

バラバラになる・貼りつきやすい

水分が少ないものや、貼りつきやすいものは飲み込みにくいです。

食品例
  • パン
  • クッキー
  • 焼き魚
  • 蒸しパン
  • 海苔

サラサラ・むせやすい

口の中で動きが速いもの、酸味の強いものは飲み込みにくいです。

食品例
  • お茶
  • ジュース
  • 酢の物
  • 梅干し

まとまりにくい

口の中でまとまりにくいものは飲み込みにくいです。

食品例
  • そぼろ
  • 揚げ物
  • ふかし芋
  • ナッツ類

液体と固体が混在している

口の中で水分と固形物に分かれるものや、水分の多い果物は飲み込みにくいです。

食品例
  • 味噌汁
  • お茶漬け
  • 麺類
  • 高野豆腐
  • スイカ

食品を飲み込みやすくする方法

①水分を適度に含ませる

適度な水分を含ませることで、パサつく食べ物を食べやすくします。

焼き魚などは、あんかけをかけるなどすると良いでしょう。

②ツルっとした感触にさせる

ゼリー状に固めることでつるっとした食感になります。

お粥はゼリー粥に、料理はソフト食に変えることができます。

③とろみをつける・加える

あんかけのようなとろみ液をかけると、まとまりが良くなり、口の中でばらけにくくなります。

片栗粉のとろみは、唾液によりサラサラになってしまうので注意が必要です。

④食材をやわらかくする、つぶす

硬い食材や、繊維のある食材は、しっかりと火を通して柔らかくすること、もしくはマッシュ状につぶすことで咀嚼しやすくなります。

調理方法を工夫して、食べやすい形状に整えてあげましょう。

宅食の活用

ソフト食などを家で作るのは難しいと思います。

そのような場合は、宅食の活用を考えて見てください。

宅食では以下のように、やわらかめの食事や、ソフト(ムース)食を販売しているところもあります。

1食700円ほどするなど、ややお高めですが、安心して食事ができるという最大のメリットがあります。


ウェルネスダイニング公式サイトより画像引用

ソフト(ムース)食を展開しているメーカーのリンクを以下に記載しておきますので、興味のある方は見てみてください。

やわらかダイニング

ベネッセのおうちごはん

栄養補助食品の活用

栄養補助食品は、嚥下能力が低下している人でも食べられるように作られているものが多いです。

また、ビタミンやミネラルなど不足しやすい栄養素も含まれているなど、様々なメリットがあります。

低栄養にならないようにするためにも、そういった食品を活用することも大切です。

【えん下困難者用】栄養補助食品『8選』


また、ゼリー粥などが簡単に作れる補助食品も販売されていますので、是非チェックしてみてください。

まとめ

食事の誤嚥対策としては大きく6つ

①口腔環境 ②まわりの環境 ③姿勢 ④自分に合う食器 ⑤適切な食形態 ⑥一口量

これらを意識することです。


飲み込みやすい食品は、

ツルっとしているものや、まとまりやすくとろみがあるものなどです。


飲み込みにくい食品は、

かみ切りにくいものや、バラバラになるような咀嚼しにくいもの

サラサラでするっと嚥下できてしまうものなどです。


飲み込みやすくするには、適度な水分やとろみ、調理方法の工夫などがあります。

難しい場合は、宅食や栄養補助食品を活用することが大切です。




参考

上羽瑠美「見える!わかる!摂食嚥下のすべて」,学研メディカル秀潤社,2022年6月,262~266ページ

斎藤雅史,松田直美「看護の現場ですぐに役立つ 摂食嚥下ケアのキホン」秀和システム,2020年4月,85~86,88~90,92~96ページ

↑他にも摂食嚥下に関する身体の構造などについて詳しく書かれています。

↑他にも認知での摂食嚥下障害やそれのケア方法について詳しく書かれています。