「クロロゲン酸ってどんな効果があるの?」
クロロゲン酸の効果について調べたところ、数多くの健康効果が期待できることが分かりましたので、
管理栄養士でもある筆者がクロロゲン酸の驚くべき健康効果についてまとめてみました。
目次
クロロゲン酸とは
クロロゲン酸とは、ポリフェノールの一種です。
食品ではコーヒーに多く含まれており、その健康効果の多さから特に注目されている栄養成分です。
クロロゲン酸の驚くべき効果14選
クロロゲン酸の健康効果を研究報告などをもとに14つお話しします。
①食後血糖値上昇抑制
クロロゲン酸は3つの作用から、食後血糖値の上昇を抑制します。※1
1つ目は「炭水化物を糖に分解するのを防ぐ作用」
2つ目は「血液中に糖が吸収されるのを抑制する作用」
3つ目は「血液中の糖を各組織へ取り込ませる作用」
この3つの作用により、食後血糖値を抑制するとされています。
②血圧改善効果
生活習慣の悪化などにより血管が固くなると、
血流が悪くなるため、血圧を高めて押し流す必要が生じてきます。(高血圧)
クロロゲン酸には血管の柔軟性を高める作用があり、
それにより血流がスムーズになり、高めの血圧を下げる効果が期待できます。※2
その他にも活性酵素の除去や抗酸化作用などもあり、血圧改善に効果が期待できると考えられています。
③体脂肪低減
糖質や脂質は消化・吸収されると肝臓に運ばれます。
肝臓に運ばれた糖質や脂質の多くは、肝臓内で燃焼されエネルギーに変換されます。
しかし、一部の糖質や脂質は一度クエン酸となり、再び脂質合成されてしまいます。
その脂質は肝臓から全身の脂肪組織へ運ばれることで、体脂肪として蓄積されます。
クロロゲン酸も消化・吸収されると肝臓に運ばれます。
クロロゲン酸は、肝臓での脂質再合成を抑制します。※3
そうすることで体脂肪として蓄積されるはずの脂質が減り、体脂肪低減効果を得られる可能性につながります。
④肝臓における脂肪燃焼の亢進
また、肝臓に運ばれたクロロゲン酸は、
肝臓内での脂質の燃焼をサポートします。※3
そのため、脂質が効率よくエネルギーに変換されます。
これにより脂肪肝も予防するともされています。※4
⑤認知機能改善
2008年に伊藤園の中央研究所と名古屋市立大学大学院医学研究科との共同研究で、
マウス実験で、クロロゲン酸を14日間摂取させたところ認知機能の改善がみられたとのことです。※5
またこの効果は、ヒトにおいても期待されており、
現在花王などが高齢者の認知機能改善研究を進めています。※6
⑥疲労軽減・睡眠の質向上・更年期症状緩和
クロロゲン酸には、疲労軽減・睡眠の質向上・更年期症状緩和などの、
自律神経への嬉しい働きが期待されています。
そのため、身体に不調があるときにバランスを支える力があると考えられています。※7
⑦肌状態の改善
顔の肌に乾燥悩みを持ち、明瞭な鱗屑を有する25~35歳の健康な女性31人を対象とした研究で、
1日1回、4週間、クロロゲン酸298mgを含む飲料を飲むグループと、クロロゲン酸を含まない飲料(プラセボ)を飲むグループで比較を行ったところ、
クロロゲン酸を含む飲料を飲むグループでは、頬及び口元の鱗屑が1週間で徐々に改善し、4週間後まで維持されたそうです。※8
また肌の滑らかさにおいても、改善傾向がみられたそうです。
また、別の実験では角層機能の改善にも寄与したとしています。※8
このことから、クロロゲン酸による肌状態の改善効果が期待できます。
⑧手足の冷え改善
先程の研究で、手を15℃の冷水に1分間漬け、引き上げた後の皮膚温度の回復率を評価したところ、
クロロゲン酸摂取前に皮膚温度回復率の低かった人では、クロロゲン酸摂取後に皮膚温度回復率の上昇と肌の滑らかさの改善がみられたとのことです。※8
このことから、クロロゲン酸が冷え性の改善にも期待できると考えられます。
⑨抗酸化作用
クロロゲン酸はポリフェノールの一種であるため、抗酸化作用があります。※4
抗酸化作用により、シミやシワを防止するなどの老化防止効果を期待することができます。
⑩腸内環境改善
クロロゲン酸がビフィズス菌を増やすとする研究がイギリスの科学雑誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ニュートリション(BJN)」に掲載されました。※9
ビフィズス菌は腸内で善玉菌として存在しているため、
ビフィズス菌が増えることで、腸内環境が改善することに期待ができます。
⑪痛風発生率低下
クロロゲン酸を含むコーヒーを飲むことで、痛風の発症率が減少するとする報告があります。
クロロゲン酸には抗炎症作用があり、それによって痛風の発生率が低くなるのではないかと考えられています。※10
⑫うつ病への効果
アメリカの研究で、コーヒーを多く飲む人はコーヒーをあまり飲まない人に比べて、
うつ病のリスクが低くなることが分かりました。※11
これもクロロゲン酸の持つ抗炎症作用が、うつ病の発症に関与している低度の炎症を防ぐことによるものと考えられています。
⑬目への効果
アメリカの研究で、クロロゲン酸が低酸素症と一酸化窒素によって誘発される網膜細胞の死を大幅に減少させることが分かりました。※12
これにより、網膜変性の予防に役立つ可能性があると考えられています。
⑭肝臓がんへの効果
国立がん研究センターの研究により、コーヒーをほとんど毎日~毎日5杯以上多く飲む人では肝臓がんの発生率が低くなることが分かりました。※13
なぜコーヒーが肝臓がんの発生リスクを下げるのかはわかっていませんが、
コーヒーに含まれているクロロゲン酸の抗炎症作用によって、肝炎の進行を防いでいるためではないかとも考えられています。
また、クロロゲン酸には抗酸化作用もあり、それも肝臓がん発生リスク低下に大きく貢献している可能性もあります。
クロロゲン酸入りの青汁がおすすめ!
クロロゲン酸は食品中ではコーヒーに多く含まれていますが、
コーヒーにはカフェインも多く含まれているため、飲みすぎは良くないとされています。
そこで私は、クロロゲン酸を摂るには青汁が最適だと考えます。
場合によっては、コーヒーと青汁の2つからの摂取も良いでしょう。
とはいえすべての青汁にクロロゲン酸が含まれているわけではありません。
クロロゲン酸が入っている青汁で最もおすすめなのが、ナチュレライフの青汁です。
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この際に是非健康習慣の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
まとめ
クロロゲン酸には多くの健康効果に期待ができることが分かりました。
特に花王が多くの研究をしており、その可能性を高めていました。
今後も数多くの健康効果が明らかになる可能性のあるクロロゲン酸の魅力に期待しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考
※1 「コーヒーの糖尿病予防効果を説明する栄養成分の薬理学」,岡希太郎(2007)
※2 花王 | 栄養代謝の研究開発 | クロロゲン酸類の血圧改善メカニズム
※3 花王 | 栄養代謝の研究開発 | クロロゲン酸類の体脂肪低減メカニズム
※5 クロロゲン酸による認知機能の改善について 日本栄養・食糧学会大会で発表 | ニュースルーム | 伊藤園 企業情報サイト
※6 花王 | 栄養代謝の研究開発 | コーヒー生豆に含まれるクロロゲン酸の高齢者の認知機能改善研究について
※7 花王 | 花王健康科学研究会 | 「クロロゲン酸類の健康機能」
※8 花王 | 栄養代謝の研究開発 | クロロゲン酸類の肌への効果
※10 尿酸値が高い人・痛風だとコーヒーはダメ?何杯までOK?効果的な飲み方も解説 | Emishia Style(エミシア スタイル) │ 渋谷エミシアクリニックが公式でお届けする美容総合メディア
※11 Coffee can treat this debilitating condition, research shows | MDLinx
※13 コーヒー摂取と肝がんの発生率との関係について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト (ncc.go.jp)