「新型栄養失調って何?」
「栄養失調対策には何を食べれば良いの?」
などのお悩みはありませんか?
この記事では、新型栄養失調とは・それにより起こること・対策として栄養補助食品がおすすめであることについてお話しします。
目次
新型栄養失調とは
新型栄養失調とは、食事バランスの乱れや食材の栄養素自体が減少している可能性により起こる栄養不足のことです。
普通の栄養失調は、戦時中(戦後)や貧困により起こることがほとんどです。
現在の日本は戦後から時間も経ち、貧富の差も少なくなっているため、普通の栄養失調は起こりにくいです。
しかし、過度なダイエットや食事バランスの乱れが原因となり、気づかないうちに栄養不足になってしまっている場合があります。
アルブミン不足・食材の栄養素減少の2つの視点から、説明していきます。
①アルブミン(栄養)不足
70歳以上の高齢者では、5人に1人が血液中にあるアルブミン(タンパク質)が少なくなっていると言われています。
アルブミンは、血液中に存在しているタンパク質の約60%を占めています。
そのため、血清アルブミン値の増減によりタンパク質の過不足=栄養状態を判定することができます。
(血清アルブミン値が少ない=タンパク質が足りていない=栄養不足、と考えることができます。)
低栄養の基準となる血清アルブミン値は、3.5(g/dl)以下とされている場合が多いです。※1
しかし、病院や施設では血清アルブミン値以外も考慮して栄養状態を判定するため、
血清アルブミン値3.5(g/dl)以下だからといって100%「栄養失調」という事ではありません。
ただ、栄養状態を判定する一つの指標ですので、「3.5」を下回らないように栄養面に注意する必要はあります。
アルブミンはタンパク質の一種ですので、
主菜などのタンパク源の摂取不足により起こりやすいです。
例えば、かたい食べ物が噛めなくなり、お茶漬けばかりを食べていたり、
「ご飯・味噌汁・お漬物」など主菜が無い献立を食べているとアルブミン不足になってしまいます。
逆に言えば、改善させるのも比較的簡単で、たんぱく質が入っている栄養補助食品を使うと2~3週間ほどで回復するケースが多いです。
②食べ物の中に栄養が入っていない⁉
2つ目の新型栄養失調の原因として、「食べ物の中に栄養素が入っていない」可能性によるものです。
スーパーに並ぶ野菜や果物に含まれる栄養が、数十年前に比べて減っていることが、複数の研究で示されています。※2
その要因としては様々ありますがその一つとして、野菜を早く大きく育てる栽培方法の変化にあるとされています。
また、保存期限を延ばすために加工される場合もあり、
「ゆで野菜」「冷凍野菜」などの加工により水溶性の栄養素が流れ出ることにより、栄養素量が減少してしまいます。
しっかり食べていても、栄養不足になってしまっている可能性があることにも注意しましょう。
栄養失調で死亡率が1.6倍に
東京都健康長寿医療センター研究所による報告では、65歳以上の高齢者を対象とした調査で、
血清アルブミン値が、男性4.3、女性4.4以上の方に比べて
男性3.8、女性3.9以下の方では、死亡の危険度が1.6倍高いことが分かりました。※3
先ほどの低栄養の基準(アルブミン3.5)より高く設定されている値でも、これだけの差が出てしまっているということから、
血清アルブミン値3.5を下回ることで、されに死亡率が上昇することが考えられます。
非常に痩せていると危険
国立がん研究センターによる調査では、肥満度別に7グループに分けて、その後10年間でのがん発生率を比較した結果、
男性ではBMI21~29のグループに比べて、21未満の痩せているグループと30以上の非常に太っているグループで発生率が高くなるU字型の傾向がみられました。
特に非常に痩せているグループでのがん発生率の増加は顕著で、
BMIが19未満の最も痩せているグループの発生率は、BMIが23~24の適正体重グループに比べて約30%高くなっていました。
一方、女性では太っていてもやせていても、その後のがん全体の発生率には特に違いがみられませんでした。
肥満による健康障害は大きく取り上げられていますが、低栄養や痩せによる健康障害はそこまで注目されていません。
低栄養や痩せも健康に悪く、がん以外にも「寝たきり」「骨折」などのリスクにもなってしまいます。
そうならないためにも、バランスの良い食生活を心掛けるようにしましょう。
吸収率の高い栄養補助食品
ここまでの聞いて、
「食事バランスの整え方が分からない」
「食材の栄養素が減っているなら、何を食べればいいの?」
と思われた方も多いと思います。
普通の食事だけでは限界がある場合もあります。
そこで、栄養バランスも整っていて、吸収率も高い栄養補助食品の活用をおすすめします。
栄養補助食品は高齢者や病者で、栄養摂取が十分でない方に向けて作られている食品ですので、
栄養素が入っていることはもちろん、加齢により消化・吸収能力の衰えている高齢者でもしっかり吸収できるように計算されて作られています。
健康であっても、低栄養対策に栄養補助食品を使用することは非常におすすめです。
(ただし、BMI25以上の肥満体型の方にはおすすめしません。)
現在痩せ体型の方や、肉・魚などのたんぱく源を食べる機会が減っている方は、積極的に取り入れましょう。
以下に、健康を意識する方にピッタリの栄養補助食品を3つご紹介します。
メイバランスmini
amazon介護用飲料部門第1位(2024年4月8日)でもある栄養補助食品。
病院・施設での使用実績も豊富で、何と言っても栄養バランスが素晴らしい!
五大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)すべてが含まれており、PFCバランスも15:25:60と最適なバランス。
栄養補助食品の中では、値段も安く手軽に試しやすい1品。
低栄養対策に、毎日もしくは2.3日に1回取り入れてみると良いでしょう。
エンジョイクリミール
amazon介護用飲料部門第3位(2024年4月8日)でもある栄養補助食品。
ほぼメイバランスminiと同じで、五大栄養素含まれており、PFCバランスは15:30:55となっている。
病院・施設での使用実績も豊富。
メイバランスminiとの違いは「味」。
栄養補助食品は、やや独特な味付けのため、好みが分かれます。
メイバランスminiと飲み比べてみて、好きな方を選ぶようにすると続けやすいでしょう。
どっちにすればいいかわからない場合は、私はメイバランスminiをおすすめします。
CP10
たんぱく質・ビタミン・ミネラルに特化した栄養補助食品です。
栄養バランスが偏っている場合、
炭水化物・脂質は過剰摂取、
たんぱく質・ビタミン・ミネラルは不足している、
ということが多いです。
また、アルブミンはタンパク質ですので、たんぱく質を摂ればアルブミン値は改善することが多いです。
さらに、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため美容効果にも期待できます。
しかし、ビタミン・ミネラルがかなり強化されているため、1日1本までしか飲めません。
まとめ
新型栄養失調とは、食事バランスの乱れや食材の栄養素自体が減少している可能性により起こる栄養不足のことです。
栄養失調では死亡率が増加してしまうことや、
痩せ体型では、がんなどのリスクが高くなることが分かりました。
栄養失調は体内の栄養不足が原因ですので、吸収率の高く、栄養バランスが整っている栄養補助食品の活用をおすすめします。
医師・栄養士の指導を受けている方は、指導に基づいて使用されることを推奨します。
また、栄養補助食品の多量摂取により、健康が増進するものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。
参考
※1 栄養改善マニュアル(改訂版)「介護予防マニュアル」分担研究班
※2 野菜や果物の栄養、数十年前に比べて低下(日本経済新聞)
※3 地域高齢者の栄養疫学研究とエビデンスに基づく健康支援(東京都健康長寿医療センター研究所)
※4 肥満度(BMI)とがん全体の発生率との関係について(国立がん研究センター)
小林びんせい「がんになったら、何を食べたらいいの?」,自由国民社,2023年3月,35~41ページ
↑この他にも、がんと食事の関係について様々な視点からお話しされています。ただ、参考文献の記載はありません。