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健康のために大人が脱脂粉乳(スキムミルク)を取り入れた方が良い7つの理由

実は、脱脂粉乳は市販の食材の中で、栄養補助食品並に健康に役立つ食材なんです。

この記事では、その理由を管理栄養士目線でお話しします。

脱脂粉乳とは

脱脂粉乳とは、牛乳(生乳)から脂肪と水分を取り除き粉状にした食品のことで、

スキムミルクと呼ばれることもあります。

脱脂粉乳に関して、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

脱脂粉乳(スキムミルク)とは?栄養やメリットについて【管理栄養士解説】

脱脂粉乳を取り入れた方が良い7つの理由

脱脂粉乳を取り入れた方が良い理由を7つご紹介します。

骨に必要なカルシウムが摂れる

脱脂粉乳10g当たり、110mgのカルシウムを含んでいます。

カルシウムは各年齢で男女ともに摂取不足であることから、積極的に摂取すべき栄養素です。(図1、図2)

しかし、カルシウムが入っている食材は乳製品や小魚などで、メイン料理とならないため摂取が難しい栄養素でもあります。

カルシウムの摂取が難しいからといって放置していると、骨折や骨粗鬆症になるリスクが高まってしまいます。


脱脂粉乳は、たったの10gでカルシウム110mgも含有している優れた食材です。

水に溶かして、牛乳のようにして飲むのも良いですし、

ヨーグルトに添加してカルシウムを強化したり、炊飯時に大さじ1杯ほどの脱脂粉乳を加え、主食からもカルシウムが摂れるように工夫することもできます。

カルシウムの不足を補うためにも、脱脂粉乳の活用が効果的です。

図1:男性の日本人の食事摂取基準2020の策定基準であるカルシウム推奨量と、令和元年度のカルシウム摂取平均量
図2:女性の日本人の食事摂取基準2020の策定基準であるカルシウム推奨量と、令和元年度のカルシウム摂取平均量

ダイエットに役立つ

脱脂粉乳と牛乳を比較すると、

脱脂粉乳の方がエネルギー、脂質が低いことがわかります。

牛乳(200g)脱脂粉乳(20g)
エネルギー(kcal)12271
たんぱく質(g)6.06.1
脂質(g)7.00.1
炭水化物(g)8.811.0
カルシウム(mg)220220
日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

エネルギー(カロリー)が少ない分、体重も増えにくくなります。

また、脂肪が少ないため、体内に中性脂肪が蓄積される量を抑えることもできます。


ダイエットには、エネルギー摂取量を抑えることと、脂肪を燃焼させることが大切ですので、

エネルギーが少なく、脂質が低い脱脂粉乳はダイエット向きの食材といえます。

生活習慣病予防の可能性

京都大学教授の吉川正明氏らによって、

脱脂粉乳のタンパク質(κ-カゼイン、およびβ-ラクトグロブリン)によって生成する低分子ペプチド(LSR、およびβ-lactotensin)は、

高コレステロール食給餌マウスへの経口投与(100 mg/kg)で迅速な血中コレステロール低下作用を示すことがわかりました。


また、茶カテキンと乳タンパク質の混合物を高血圧自然発症ラットに投与した際に、

茶カテキンの血圧降下作用が長時間持続することがわかりました。


吉川氏らは「これらの結果は、乳タンパク質または脱脂粉乳の新しい利用途の可能性を示すものである」とまとめています。


脱脂粉乳を摂ることで、ヒトの血中コレステロール低下作用、茶カテキンによる血圧低下作用を持続させることを確証付けるものではありませんが、生活習慣病予防の一つの可能性として考えられています。

たんぱく質が摂れる

脱脂粉乳はコップ1杯(脱脂粉乳20g+水180ml)で、たんぱく質6.1g(BCAA1460mg)を摂ることができます。

そのため、筋トレによる筋力増強をサポートすることや、運動時の疲労回復を促すことなどに期待ができます。

また、動物性のたんぱく質であり、良質なたんぱく質を摂れる食材です。

高齢者では歩行能力の維持・フレイル予防に

脱脂粉乳に含まれている、

カルシウムが骨の栄養となり、たんぱく質が筋肉や骨の栄養となります。

それにより、高齢者の歩行能力の維持・フレイル予防に役立てることが可能です。

優れた手軽さ

脱脂粉乳を水と混ぜるだけで、手軽に飲めることや、

スーパーなどにも売られていて、手軽に買える・試せること、

保存期間が長く、常温での保存も可能なため、牛乳に比べて手軽に保存することが可能です。

また、脱脂粉乳は袋に入っているため、牛乳パックなどの特殊なゴミを出さずに済みます。

脱脂粉乳は意外と手軽に摂り入れることができます

料理にコクが出る

脱脂粉乳は、業務用(プロ用)としてはかなり使われています。

家庭ではシチューなどに入れることで、料理にコクが生まれます。

また、お菓子作りやパン作りなどにも活用することができます。

おすすめの脱脂粉乳(スキムミルク)

おすすめの脱脂粉乳(スキムミルク)を3つご紹介します。

森永乳業

森永乳業 スキムミルク (175g)

(出典:amazon.co.jp

お試しで買いたい場合はコレ!

1袋175g入りで、水に溶かして飲む場合は約9回分の分量が入っています。


ジッパー付きで保存も楽にできて、ベーシックな脱脂粉乳です。


風味も悪くなく、味も脱脂粉乳の味です。


スーパーなどにも売っているため、試しに買いたい方に向いています。

森永乳業プレミアム

森永乳業 PREMiL スキム(200g)

(出典:amazon.co.jp

カルシウムをしっかり補給したい方はコレ!


先程の商品に比べるとカルシウムが2倍多く含まれています。(10g当たり240mg)


さらに、鉄が強化されていたり、
ビタミンC、ラクチュロース、シールド乳酸菌が入っているなど、健康に気づかう人にオススメです。


また、12~14歳では男女ともに「カルシウム」「鉄」の必要量(推奨量)が一番多いため、子供の成長を支えることにも役立ちます。

よつ葉乳業

よつ葉北海道脱脂粉乳(1kg)

(出典:amazon.co.jp

習慣的に取り入れたい方はコレ!


業務用の品のため1㎏入っており、1つ買うだけで1か月は持ちます。


また、g当たりの値段で見ると、3つの中では1番安いため、継続して毎日飲む方におすすめです。


その他にも、家族(4人など)で使う場合などにも適しています。

まとめ

脱脂粉乳を取り入れた方が良い理由は、

1.骨に必要なカルシウムが摂れる

2.ダイエットに役立つ

3.生活習慣病予防の可能性

4.たんぱく質が摂れる

5.高齢者では歩行能力の維持・フレイル予防に

6.優れた手軽さ

7.料理にコクが出る

以上の7つです。

市販の食材の中では、栄養価に優れており、健康を意識する方やカルシウム不足を補いたい方に適している商品です。

そんな脱脂粉乳のおすすめも紹介いたしました。



脱脂粉乳(スキムミルク)の多量摂取により、健康が増進するものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。

参考

脱脂粉乳の有効利用による生活習慣病の予防に関する研究

令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)

日本食品標準成分表2020年版(八訂)(文部科学省)

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(多量ミネラル),(厚生労働省)

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(微量ミネラル),(厚生労働省)