「ソフト食(ムース食)って何?」
「ソフト食の作り方や作るときのポイントは?」
などのお悩みはありませんか?
この記事ではソフト食(ムース食)とは、作り方や作り方のポイント、デメリット、デメリットを解消する方法などについてお話しします。
目次
ソフト食(ムース食)とは
ソフト食とは、咀嚼嚥下機能が低下した人でも食べやすいように、
食べ物をペースト状にして、ゲル化剤を加え再形成した食形態のことです。
この食形態を「ムース食」と呼ぶ場合もあります。
少なからず咀嚼を必要なため、咀嚼能力を有していて、消化・吸収機能に問題が無い方に適している食形態です。
病院・介護施設で提供している「ソフト食」は上記の事を指すのですが、
一部、軟らかく調理したもので食材そのままの形で提供する「軟菜食」もソフト食であるとするネット記事もあります。
しかし、私の認識では
きざみ食→ソフト食→ミキサー食という食形態の順であり、
きざみ食:歯はあるが顎の筋力が低下している方向け
ソフト食:歯の欠損などがあり、上手く咀嚼できない方向け
ミキサー食:咀嚼機能が低下している方向け
と考えていますので、この記事では軟菜食はソフト食に当てはまらないとしてお話しします。
ソフト食の作り方
ソフト食の作り方をご紹介します。
① 料理とだし汁をミキサーにかけ、残渣が無いことを確認してゲル化剤を入れ再度ミキサーにかけます。
② ①を鍋に移し80℃以上になるまで加熱します。
③ 型に流し入れ、冷蔵庫などに入れ冷やし固めます。
④ 型から出し、お皿に盛り付けて完成です。
ソフト食を作るには、「ゲル化剤」が必要になります。
ソフト食を作るときのポイント
つぶつぶ・ザラザラ感をなくす
料理をミキサーにかける時に、つぶつぶ・ザラザラ感(残渣)をなくすようにしましょう。
つぶつぶ・ザラザラがあることによって、異物感が強くなるため食欲が低下します。
また、口腔内でまとまりにくくなり、誤嚥につながることもあります。
1品ずつ作る
例えばですが、タンドリーチキンにキャベツとトマトが添えてあるとした場合、
タンドリーチキン・キャベツ・トマトと1品ずつ作成するようにしましょう。
1度に全て混ぜて固めてしまうと、色彩も悪くなりますし、味も別料理になってしまいます。
綺麗に成型する
料理を冷やし固める際に、型が付く器に入れて固めるようにしましょう。
一つにまとまっているだけで、きれいに見えますし、食欲も落ちません。
ソフト食のレシピ
ソフト食 「チンゲン菜のナムル」 by 秦野病院栄養課
秦野病院栄養科様のレシピで、チンゲン菜のナムルをソフト食にする作り方を紹介しているレシピです。
チンゲン菜の残渣が無く、きれいにできています。
軟菜食/ソフト食 「トマトサラダ」 by 秦野病院栄養課
秦野病院栄養科様のレシピで、トマトジュースとトマト+調味料を使ったトマト皿でのレシピです。
※注意
このレシピでは乾燥パセリを振りかけていますが、無い方が良いです。
海苔、乾燥パセリなどは口腔内で張りつきやすく、誤嚥の原因になります。
ソフト食のデメリット
手間がかかる
ミキサー食は、ミキサーにかけて粘度を調整するだけなので比較的すぐできるのですが、
ソフト食は加熱して、冷やし固める工程が必要なため、相当時間がかかります。
これを毎日ご家庭で作るのは、大変だと思います。。
手作りだとエネルギー量が減少する
ソフト食の作り方は、先ほどお話しした通りです。
基本的に、料理+水(だし汁など)が必要です。
常食形態の料理に比べ、加水によりかさは増えるがエネルギー量は減少してしまいます。
元の料理と同じエネルギー量で提供すると、量が多すぎて食べきれなくなってしまいます。
摂取エネルギー量が減少すると、痩せや低栄養になるリスクが高まりますので注意しましょう。
ソフト食のデメリットを解消する方法
ソフト食のデメリットを解消する方法は、
市販・宅食のソフト食を活用することです。
例えばマルハニチロのソフト食ですが↓
1食分が男性の手のひらサイズほどの大きさのトレイに入っている冷凍商品でして、
レンジで数分温めるだけで完成!冷凍品のためいつでも食べられる!
と非常に手軽な商品で、1食当たり約300kcalとしっかりエネルギーも入っている商品で、
しかも美味しいんです。
病院時代に食べたことありまして、美味しくないんだろうなーと思って食べたら、普通に美味しい。笑
味もしっかりついていて、普通に美味しかったですね。
ご家庭でソフト食を食べられる場合は、手間・栄養面を考えると市販の商品の方が最適だと思います。
ただ、主食がついていない点に注意してください。
主食は、全粥が食べられる方でしたら問題ないと思いますが、
ゼリー粥やペースト粥じゃないと食べられないといった方には、以下の商品の活用もおすすめです。
お湯を加えるだけで、簡単にゼリー粥、ペースト粥を作ることができます。
これらの商品を活用して、手間を減らし、栄養をしっかりと摂るようにしてください。
食欲があり、更にエネルギーアップをしたい場合は、栄養補助食品を活用するなどすると良いでしょう。
市販のソフト食について、別の記事でまとめています。
興味のある方はご覧ください。
まとめ
ソフト食とは、咀嚼嚥下機能が低下した人でも食べやすいように、食べ物をペースト状にして、ゲル化剤を加え再形成した食形態のことです。この食形態を「ムース食」と呼ぶ場合もあります。
ソフト食は、料理をミキサーにかけゲル化剤を加え温め、冷やし固めて作ります。
ソフト食を作るときのポイントは、
「つぶつぶ・ザラザラ感をなくす」
「食材1つずつ作る」
「綺麗に成型する」
などです。
ソフト食のデメリットは、「手間がかかる」「エネルギー量が減少する」ことです。
このデメリットを解消するには、市販のソフト食を活用することです。
市販のソフト食は、手軽でエネルギーもあり、美味しいので試してみる価値はあると思います。