栄養補助食品は、高齢者の体重低下や栄養状態の悪化を避ける手段として需要が安定しています。
病院や高齢者施設以外でも、在宅療養において幅広く使用されています。
栄養補助食品は、栄養素の添加、飲み込みやすさへの配慮、硬さ、エネルギー調整、たんぱく質調整、水分調整など、通常の食品以上に製品開発が難しい物と思われます。
そんな栄養補助食品を作ってくれているメーカーをピックアップしてみました。
メーカーごとの特徴も合わせて紹介しますので、補食選びの参考にしてみてください。
ネスレ
「アイソカル」シリーズを展開しているメーカーです。
ネスレ調べでは、「アイソカルゼリーハイカロリー」が医療・介護現場シェアNo.1など、少量高カロリーのカップゼリーには定評があります。
栄養補助食品以外にも、栄養剤や流動食など臨床現場で使える食品を多く開発しており、病院管理栄養士からの信頼も厚いです。
クリニコ
森永乳業の病態栄養部門を担当しているのが、株式会社クリニコです。
製品の数が豊富なことが特徴です。
栄養補助食品では「エンジョイ」シリーズがメジャーですが、
「リハたいむゼリー」や「くだものの栄養+Fiber」など、特定の栄養素が強化された商品もあります。
その他にも、嚥下困難者向けのとろみ剤やビフィズス菌、乳酸菌に特化した製品などもあります。
また、栄養剤や流動食など臨床現場で使える食品を多く開発しており、病院管理栄養士からの信頼も厚いです。
明治
「メイバランス」シリーズを展開しているメーカーです。
中でも「明治メイバランス」は「総合栄養食品」の表示を消費者庁に許可された商品でもあり、ドラッグストアなどでもよく見かけます。
明治の商品は、五大栄養素をバランスよく配合している所が特徴的です。
ニュートリー
「ブイ・クレス」シリーズを展開しているメーカーです。
ビタミン・ミネラル補給に長けている栄養補助食品が多いです。
中でも「ブイ・クレスCP10(シーピーテン) ミックスフルーツ」は「本品は褥瘡を有する方の食事療法として使用できる食品です。」と表示する事を消費者庁から許可を得た商品であり、褥瘡治療をする際の補食選びとして重宝していました。
フードケア
「エプリッチ」シリーズを展開しているメーカーです。
また、エネルギー補給商品以外も魅力です。
「スベラカーゼ」という商品は、お粥をゼリー状のお粥に変えることができる商品で、食事形態を調整する際に重宝されます。
さらに、カルシウム・マグネシウム入りのふりかけや、
一般的なおかきと比べて1/10のかたさの「やわらかおかき」という商品があるなど、様々な視点からサポートできる点が魅力です。
キユーピー
マヨネーズで有名ですが、栄養補助食品もあります。
商品数は多くはありませんが、
・ご飯に合う高エネルギーソース
・料理に混ぜる栄養パウダー
など、ご家庭でも手軽に使えるようなキユーピーらしい身近な商品が魅力です。
日清オイリオ
中鎖脂肪酸が強みのメーカーです。
そのため、脂質量を活かした少量高エネルギーの商品が多数あります。
また、MCTオイル・パウダーなど、中鎖脂肪酸100%の商品もあり、手軽にエネルギーアップをすることができる商品もあります。
大塚製薬工場
「オーエスワン(OS-1)」が有名のメーカーです。
脱水症対策などでよく使われていますね。
健常者でも使える商品はオーエスワンくらいですが、
医療・介護現場で使われる、摂食嚥下機能のリハビリ目的の商品などを展開しています。
キッセイ
慢性腎臓病(CKD)の方向けの商品を多数展開しているメーカーです。
私が働いていた病院は透析内科もあったため、よく利用していました。
身近で利用できる商品は少ないですが、医療・介護現場では「ゆめごはん」というたんぱく質をカットした商品がよく使われています。
バランス
飲み込みやすいゼリー状の商品を多く展開しているメーカーです。
ヘルシーフード
とろみ調整食品などを展開しているメーカーです。
その他にも、様々な用途で使える商品を展開しています。
アイドゥ
料理や食品に付加する用の補助食品を展開しているメーカーです。
メディファイン
とろみやムース調整をする商品を展開しているメーカーです。
まとめ
多くのメーカーが様々な視点から栄養補助食品を展開していることが分かりました。
私もいずれ、普通の形をした食事が食べられなくなる日が来るかもしれませんが、そんなときにこういった商品を販売してくれているメーカーがあると安心できますし、とてもありがたいですよね。
口から食事を食べる喜び・楽しみは、とてつもないものです。
そんな喜びと楽しみを感じられるようにしてくれている、栄養補助食品メーカー様には感謝しかありません。
医療・介護の現場を支えてくださりありがとうございます。
これからも、商品開発をよろしくお願いします。