「リコピンって何?」
「リコピンにはどんな効果が期待できるの?」
などの疑問はありませんか?
この記事では、リコピンの効果や摂取時のポイントなどについてお話しします。
目次
リコピンとは
リコピンとは、カロテノイドの一種で赤色の色素のことです。
トマトやスイカなどに多く含まれており、抗酸化作用が強く健康効果が期待できるとして注目されています。
期待される効果
がん予防の可能性
リコピンの強い抗酸化作用が腫瘍の成長を制限することによって、乳がん(※1)や前立腺がん(※2)の成長を遅らせる可能性があります。
また、リコピンを含む多量のカロテノイドの摂取によって、肺がんや前立腺がんのリスクが低くなるとする報告もあります。(※3)
一方で、リコピンにがん予防効果は無いとする研究報告もあり、あくまでがん予防の可能性が考えられているまでです。
しかし、抗酸化作用の強さから体内での健康的な働きに期待が持てることは間違いないため、今後の研究に強く期待して良いと思います。
心疾患予防の可能性
リコピンには酸化によるダメージを減らし、LDLコレステロールを下げ、HDLコレステロールを上げる可能性があります。(※4)
LDLコレステロールが減少し、HDHコレステロールが増加することで、動脈硬化の予防・改善に期待ができます。
それにより血液が詰まるリスクを下げ、心疾患の予防につながります。
肌の保護効果
リコピンを摂ると肌の保護効果が高くなるといわれています。
リコピンの持つ強力な抗酸化作用により、日焼けによる肌へのダメージ、シミ、シワを防いでくれる効果に期待ができるためです。
リコピンはトマトやスイカなどの夏野菜(果物)に多く含まれています。
夏の強い日差し・紫外線を防ぐためには、積極的に夏野菜を食べるにしましょう。
リコピンを摂るときのポイント
1日15~20mgを目安に摂る
リコピンは1日15~20mgを目安に摂ると良いとされています。
カゴメの研究でもトマトジュース160mg(リコピン16mg)の摂取で、コレステロール改善効果がみられていました。
健康効果を期待するためには、ある程度の量を一定期間摂る必要があることを理解しておきましょう。
加熱して吸収力を高める
リコピンは加熱することで細胞が壊れるため、吸収されやすくなります。
さらにリコピンは熱に強く、スープや煮込み料理にしてもほとんど減少することがないため、幅広く料理に活用することができます。
ミートソースや鶏肉のトマト煮などがおすすめです。
油と一緒に調理する
リコピンは油に溶けやすい性質を持っています。
そのため、油と一緒に調理するもしくは油をかけて食べると吸収率が上がります。
サラダ(トマト)を食べるときは、塩ではなくドレッシングをかけて食べると良いでしょう。
リコピンを多く含む食品
トマト
トマト100g当たり、リコピンが約6mg含まれています。
また、リコピンは加工された食品の方が多く入っている傾向があり、
トマト缶、トマトピューレ、トマトジュースの方がより多くのリコピンを摂ることができます。
スイカ
スイカ100g当たり、リコピンが約4.5mg含まれています。
スイカは1回で食べる量が多く、リコピンを効率的に摂取できることが魅力です。
ただ、リコピンは赤色色素ですので、黄肉種のスイカには含まれていません。
野菜ジュース
野菜ジュース(トマトジュース)には、リコピンが多く含まれているものもあります。
野菜ジュースは比較的簡単に摂取することができますし、継続しやすい食品ですのでお気に入りの野菜ジュースをみつけると良いでしょう。
ただし、砂糖が使用されている野菜ジュースは避けるようにしましょう。
まとめ
リコピンは、トマトなどに含まれている赤色色素のことです。
強力な抗酸化作用を持ち、健康効果が期待できるとして注目されています。
期待できる効果としては、がん予防の可能性、心疾患予防の可能性、肌への嬉しい効果などがあげられます。
また、リコピンは1日15~20mg程度の摂取が良いとされており、
加熱することや油と一緒に摂ると効率よく取ることができます。
トマトやスイカ、野菜ジュースなどに多く含まれており、リコピンを摂りたい方におすすめの食品です。
食生活は、主食・主菜・副菜の揃ったバランスの良い食事が基本です。
またこの記事は、リコピンにより健康が維持増進することを確証付ける内容ではないことをご理解ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考
※2 トマトのリコピン、再発した前立腺癌の進行を抑制−−米専門医が臨床データを公表(日経メディカル)
※3 カロテノイドとヒトの発がんリスクについての最近の研究,山西倫太郎,オレオサイエンス,2007 年 7 巻 10 号 p. 423-436