「とろみ調整食品は各メーカーから販売されているため、種類が多くて何を選べばいいかわからない。」
「おすすめのとろみ調整食品が知りたい。」
などの悩みはありませんか?
この記事では、とろみ調整食品(とろみ剤)のおすすめの選び方、17製品比較、個別評価に分けてお話しします。
そもそもとろみ調整食品って何?と思われた方は以下の記事をご覧ください。
とろみ調整食品(とろみ剤)とは?種類や使い方などについて【高齢者と栄養】目次
おすすめの選び方
使用量
使用量が少なくて済めば、
楽に作成することができ、価格も抑えることができます。
ダマ・べたつき
使用量を抑えられたとしても、強力すぎるがゆえに、ダマになりやすければ欠点となります。
また、べたつきが生じるものであれば、口腔・咽頭への付着により誤嚥しやすくなるためマイナス評価となります。
この項目が、一番重要です。
粘度が安定するまでの時間
とろみ調整食品は、使用してから時間を置かないと粘度が安定しません。
早くても2~3分はかかります。
10分以上かかる場合、使い勝手は劣ります。
透明性・臭い
とろみ調整食品は、水やお茶にとろみを付ける際によく使われます。
透明性が低いと、水・お茶の見た目が悪くなります。
また、臭いがついてしまうと飲みにくくなり、食欲低下の原因になるため、
透明性は高く、無臭のものが良いでしょう。
価格
飲料へのとろみ添加だけでなく、
嚥下調整食の作成にも使用する場合は、使用量がさらに多くなります。
そうなると、価格は安ければ安いほうが家計のためになります。
17商品を比較
商品名 | 商品画像 | おすすめ | 使用量 | ダマ・べたつき | 時間 | 透明性・臭い | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフティアS | 1.0 | 2~3分 | 3.8 | ||||
ネオハイトロミール | 0.5 | ||||||
トロミパワースマイル | 0.5 | 2~3分 | |||||
トロメイクコンパクト | 0.5 | 2~3分 | 3.8 | ||||
トロミスマイル | 0.8 | 2~3分 | 3.3 | ||||
ソフティアEX | 0.9 | 2~3分 | 3.0 | ||||
つるりんこQuickly | 1.0 | 2分 | 4.1 | ||||
かんたんトロメイク | 0.9 | 2~3分 | 3.2 | ||||
トロメリンV | 0.8 | 3分 | |||||
トロミアップパーフェクト | 0.75 | 2分 | 4.1 | ||||
新スルーキングi | 1.0 | 短時間 | 4.2 | ||||
とろみファイン | 1.0 | 3分 | 5.5 | ||||
トロミーナレギュラー | 1.2 | 2~3分 | 4.8 | ||||
とろみエール | 1.3 | 2分 | 3.6 | ||||
つるりんこPowerful | 0.7 | 3分 | 4.2 | ||||
トロミアップエース | 0.75 | 1~2分 | 3.0 | ||||
トロメイクSP | 1.0 | 2~3分 | 8.3 |
使用量は、水100ml(10~20℃)に対して薄いとろみを付けるときの値
価格は、2024年4月9日時点でのamazonでの販売価格×使用量で算出
評価を公平にするために、上記評価項目について公式サイトに表記があるか否かで判定しています。
私自身で使用して試したわけではありませんのでご了承ください。
経験上、ダマに関しては使用者の腕も必要です。
個別評価
「ダマにならず、すばやく溶ける」
「付着性が低くベタつかない」
「食材の味や風味を損なわない」
透明性についての明記は無いものの、図が添付されており透明感を感じられる。
「ダマにならず」
と言い切っているのはこの商品と「とろみファイン」のみ。
相当混ぜやすいのではないかと推測します。
製造メーカーのニュートリーは嚥下困難者用食品にも力を入れているため、とろみ調整用食品が優秀なことにも納得がいきます。
商品説明での言い切り具合から、使い勝手の良さに相当自信がある物だと思われるので、試しに買っても損はないかと思います。
「お茶の場合約30秒でとろみがつきます。」
他の商品も2.30秒ほどで少しとろみはつきますが、その後2分置くことにより、とろみが安定します。
しかし、この商品は30秒で完全にとろみがつき、その後もその粘度で安定するようです。
「ダマになりにくくなっています」
「べたつきが少なく」
「透明感が維持されます」
「食品のにおい、味を損ないません」
との記載もあり、その他項目でも一定の質を保っています。
強力だからこそ使用量も少なく抑えることができるため、コストも抑えることができます。
30秒でとろみがつくほどの強力なとろみ剤だと、どうしてもダマになりやすいですが、「ダマになりにくくなっています」と記載があるため、信用していいと思いますが、正直本当かな??と疑ってはいます。
今回比較した中では、一番価格が安いです。
(価格の算出方法は上に書いてあります。)
私が病院実習でお邪魔した病院でも使用されていた商品でもあり、病院・施設での使用率も高いと思います。
しかし、今回の評価基準に関していうと、
「ダマになりにくい」
との表記のみで、
「ベタつき」「臭い」「透明性」については明記されていませんでした。
ただ、コストが相当抑えられるという点で、3番目評価としました。
「ベタつきません」
「透明感のある仕上がりです」
「「味・色・香り」を損ないません」
「ダマになりにくい」
との記載があり、評価できる一品です。
1番手評価の品は、「ダマにならず」との表記があり相当な自信があること。
2番手評価の品は、「スピードとコスト」
3番手評価の品は、「圧倒的価格」
でしたが、この商品には秀でた魅力はありません。
すべてが平均以上で、使用量も少なくて済むため楽だけど、上3つほどの秀でた魅力に欠ける…
といった感じです。
「ダマにならない」と絶対的な自信で明記してくれれば1番手評価なんですが、
この商品については使ったことがあるので分かるのですが、
新人の子が、ペースト粥を作るときにもたもたしてると、ダマになります。
それもあり、4番手評価としました。
(以降つるりんこQuicklyまで大きな差はありません。)
「ベタつかない」
「味・色が変わらない」
「見た目も濁りません」
「ダマになりにくい」
どうしても「ダマ」に関しては、「ならない」とは言えないんですよね。
他は完璧に明言しているんですが、ダマだけは濁すんですよね。
この商品含め、「トロメイクコンパクト~つるりんこQuickly」までは大きな差は無いですが、
使用量が多いトロミスマイルの方が、トロメイクコンパクトよりダマになりにくい可能性はあります。
「ベタつかない」
「食材の味や風味を損なわない」
「ダマになりにくい」
と明記されています。
透明性についての表記はありませんが、画像から読み取るに透明感もあります。
1番手評価の商品と似ていますが、
この商品は「ダマになりにくい」と保険をかけた表記であることから、1番手評価の「ダマになりず」という言葉の信憑性が一層高まります。
ソフティアSとの違いは、使用量が少ないことと、
牛乳・濃厚流動食にも対応可能だということです。
普通のとろみ調整食品は、牛乳や濃厚流動食ではとろみがつきにくいですが、この商品は牛乳や濃厚流動食にもとろみを付けることができる点が魅力です。
「ベタつくような粘性はありません」
「見た目の透明感・無味無臭にこだわりました」
「ダマになりにくく」
と明記されています。
Quicklyという名前なのに、とろみがつく時間が2分と、そこまで差がありません。
とろみがつく速さを強調しているのではなく、溶ける速さを強調しているものと思われます。
「トロメイクコンパクト~つるりんこQuickly」までは大きな差は無いですが、
そのなかで、この商品の特徴は、
使用量(水100ml当たり)1.0gと多めであることです。
使用量が多いため、使用量を刻むことで粘度の調整がしやすいです。
「ダマになりにくい」
「透明感のある仕上がりです」
「「味・色・香り」を損ないません」
と明記されています。
しかし、ベタつきに関しては何も書かれていません。
同じメーカーのトロメイクコンパクトでは、ベタつきに関する表記があることから、この商品ではややベタつき感が生じる可能性が考えられます。
ただ、その点を差し置いても、
水20℃200mlに当該商品を5g加え、15秒後にかき混ぜ開始しても「ダマがなくきれいな仕上がり」
との明記がされているため、比較的ダマにはなりにくいとろみ剤なのだとも考えられます。
ベタつき感に関しては、試してみないとわかりませんが、見た感じでは大きな心配はなさそうです。
「ダマになりにくい」
「ベタつきの少ない」
「透明感のある」
「食品の味を変えません」
と明記されています。
☆4.5以上の商品ではべたつきが無いと明記されていましたが、この商品は少なくともあることを認めています。
そのため、0.5評価を下げました。
それ以外では、牛乳にもとろみが付けられるなど、悪い点は見当たりません。
「ダマになりにくい」
「べたつき感も軽減」
「透明で無味無臭」
との明記があります。
こちらも、ベタつきが無いではなく、軽減と少なからずベタつきがあることを認めているような記載のため0.5評価を下げていますが、牛乳や濃厚流動食にも使えるなど他に悪いところはありません。
また、1gのスティックタイプの商品から2.5㎏入りの大容量商品まで多種類展開されているため、自分に合う容量の商品を選ぶことができる点は魅力です。
「ダマになりにくい」
「ベタツキが少ない」
「食品の風味を損なわず」
と明記されています。
「透明性」についての表記はありませんでした。
ベタつきが少ない、と少なからずベタつきがあると考えられるため、この評価としましたが、それ以外の欠点は特にありません。
「ダマにならない」
と明記されています。
その他、ベタつき、透明性、臭いなどに関しての記載はありません。
しかし、ここまでのとろみ調整食品の説明を見てきて分かるように、「ダマにならない」と言い切るのはすごいことです。
私調べではありますが、「ダマにならない」と明記しているのは、この商品と1番手評価の「ソフティアS」のみです。
ダマにならなければ誤嚥の心配も少なくなるため、その1点のみで☆3.5の評価となっています。
「ダマになりにくい」
「無味無臭」
と明記されています。
「ベタつき」「透明性」についての表記はありませんでした。
可もなく不可もなくといった具合で、
特筆すべき魅力もありません。
「ダマになりにくい」
「味を変えない」
との明記があります。
「ベタつき」「透明性」「臭い」についての表記はありません。
他の商品より使用量が多く、混ぜるのに時間がかかる可能性があります。
牛乳に使える旨の表記もなく、メリットが少ないように感じます。
「ベタつくような粘性はありません」
「見た目の透明感・無臭にこだわりました」
との明記があります。
「ダマ」に関しては特に記載がありませんでした。
たったそれだけで、☆2下げています。
「ダマに関する記載が無いだけ」ですが、他の上位商品には「ダマにならない」や「ダマになりにくい」と必ず明記されていました。
とろみ調整食品では、ダマの有無が誤嚥のリスクに関わるため最重要事項だと考えています。
少量でとろみが付けられるパワフルなメリットはありますが、ダマになりやすいのであれば評価はできません。
以上が、公式サイトに表記されていることから読み取った考察です。
ただ、私はこの商品を使ったことがあります!
はっきり言えることがあります。
「トロメイクコンパクトの方がダマになりやすい!!」
使用した商品が少なかったため、公平に判断すべく公式サイトに表記があるか否かで判断したため☆3評価ですが、個人的には☆4.5同等で使いやすいです。
ぜひ公式に、「ダマになりにくい」の表記をしてほしいです。
「風味を改善し、付着性を低減しました」
との明記があります。
「ダマ」「透明性」についての表記はありませんでした。
先ほど同様「ダマ」に関する記載が無いだけで-2です。
また、「風味を改善」とのことより、風味の悪さあったことが懸念される点と、
「付着性を低減」とのことより、付着性がある可能性があることより☆2.5の低評価となっています。
「ダマ」「ベタつき」「透明性」「臭い」すべての表記がありません。
また、算出コストも一番高かったです。
この商品を載せないことも考えたのですが、
おそらく表記が無いだけで、一定の質はあるような商品パンフレットだったため、トロメイクブランド内での差別化を図ったのだろうと思い、害悪商品では無いと判断し載せています。(明治さんですし。)
ただ、情報が少ないため賞賛できる品ではありません。
まとめ
今回分かったことは、ニュートリーの嚥下関連の企業力の高さです。
嚥下困難者用食品も複数販売している企業だけに、嚥下関連では高い技術力を持っているのだろうと思いました。
とろみ調整食品のなかでも、正直ソフティアSが断トツ1番手評価です。
その後は6商品大差なし、
さらにその後、パッケージ・ネーミングで勝負してるなと思われる商品もありました。
まずは、ソフティアSと一番安いトロミパワースマイルを試してみるのが一番いいと思います。
各商品参考資料
ソフティアS
ネオハイトロミール
トロミパワースマイル
トロメイクコンパクト
トロミスマイル
ソフティアEX
つるりんこQuickly
かんたんトロメイク
トロメリンV
トロミアップパーフェクト
新スルーキングi
とろみファイン
トロミーナレギュラー
とろみエール
つるりんこPowerful
トロミアップエース
トロメイクSP
医師・栄養士の指導を受けている方は、指導に基づいて使用されることを推奨します。
また、栄養補助食品の多量摂取により、健康が増進するものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。