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【低栄養とは】原因や対策についても説明

寝たきりの高齢者や、要介護高齢者では低栄養が非常に問題になっています。

という言葉を聞く機会が増えて、不安になっている方もいるのではないでしょうか。

また、「低栄養」はなんとなくわかるけど、どうしたらいいのかはわからない。という方もいると思います。

そこでこの記事では、低栄養とはどのようなものなのか、原因や対策とともにご説明します。

低栄養とは

栄養素の摂取が生体の必要量より少ないときに起こる体の状態。
健康的に生きるために必要な量の栄養素が摂れていない状態を指します。

低栄養/PEM|e-ヘルスネット(厚生労働省)

単に食事を食べていない期間が長くても、低栄養になってしまいますし、

食事をしっかり食べていても、栄養バランスが偏っていると低栄養になってしまいます。

例えば、アフリカの子供で腕や脚は細いのにお腹だけポッコリしているという写真を見たことはありませんか?
あれは「クワシオルコル」という低栄養の一種です。

クワシオルコルとは、たんぱく質の摂取量が十分ではないため起こるとされています。

一つの栄養素が不足するだけでも、低栄養になっしまうので注意が必要です。

低栄養簡易チェック

簡易的に低栄養かどうかをチェックしてみましょう。

□ 過去3か月で意図せず体重が3㎏以上減少した。

□ 1人前のお弁当を半分以上食べられない。

□ BMIが18.5未満。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

これに2つ以上当てはまる場合は、低栄養のリスクが高いと考えられます。

お近くのかかりつけ医へご相談することを推奨します。

低栄養の原因は?

低栄養の原因は様々なことが考えられますが、大きく3つに分けてお話します。

食欲低下

高齢者は、若年者に比べると味覚の衰え胃腸のはたらきの衰えなどにより、食欲が低下することがあります。

食欲低下により、十分な栄養素を摂ることができずに低栄養状態になってしまいます。

また、「老人性うつ」という高齢者のうつ病も問題となっており、それにより倦怠感食欲の低下などが起こってしまいます。

摂食嚥下機能の低下

高齢になってくると、身体機能が低下してしまいます。

摂食嚥下機能もその一つで、食事をしっかりと噛むこと食塊を作ること困難になり、むせ込みなどが生じてきてしまいます。

こうした食事の煩わしさが原因となり、食事を遠ざけるようになってしまいます。


また、歳を取るにつれ歯の本数が減少することもあります。
歯が無くなっても口から物を食べたいという意向を尊重するために、義歯を使用する方は多くいます。

しかし、義歯を使用しているうちに少しずつズレが生じてきます。
義歯の不具合が起こると、咀嚼が上手くいかないなどの機能低下の原因となり、食事量が低下してしまいます。

義歯を使用している方は、義歯のメンテナンスもしっかりとするようにしましょう。

食事の偏り

高齢になると、日々同じような行動を繰り返してしまうことがあります。

朝ドラを見ながらご飯を食べて、新聞を読んで、家にあるものでお昼ご飯を作って、夕食の買い出しに行って、夕食を作って、少しゆっくりして、お風呂に入って、寝る。(筆者のおばあちゃんの1日)

この生活リズムだと、
毎日同じような朝食になっていませんか?
昼食は簡単にできるレパートリーで回していませんか?

などなど、食事に偏りが生じている可能性が高いです。

また、年金問題もあります。若年層から見れば高い年金でも、高齢者からすると安すぎる年金。

高齢者には経済的問題もあり、様々な食材を買うお金がなく、決まった食事を繰り返していたり、菓子パンなどをメインに食事をしている人もいます。

そのようにして、食生活に偏りが生じてくると、栄養バランスも乱れてしまいます。

体重は低下していなくても、たんぱく質が足りないなどの栄養障害を起こすリスクも出てきますので注意が必要です。

低栄養対策をしよう

低栄養は正しい知識があれば、予防・対策することができます。
低栄養の対策について3つご紹介します。

バランスの良い食生活

何と言ってもまずはコレです。

低栄養とは「栄養素の摂取が生体の必要量より少ないときに起こる体の状態。」ですので、
栄養素の不足が起きないように、バランスの良い食事を摂るようにしましょう。

では、どうすれば栄養バランスが良くなるか、という事ですが、

「一汁三菜」を意識してみてください。

「主食、主菜、副菜、副菜、汁物」 定食屋のメニューのような感じです。

でも、そんなにたくさん作るのは面倒臭い!という場合は、

「主菜と副菜」、「副菜と汁物」を合体させればいいんです。

主菜と副菜の合体例は、ただの煮魚ではなく、そこに野菜も加えた野菜入り煮魚にしてしまう。

副菜と汁物の合体例は、ただの味噌汁ではなく、豚汁のように具材を増やす。

このように、いつもの料理に少し多めの具材を入れるようにしてみてください。
そのときに、1日30品目食べる事を目安に料理をかさ増ししてみましょう。

そうするだけでも、栄養バランスは改善し、低栄養対策になります。

食事を楽しもう

低栄養対策には、食事を楽しむことも大切です。

食事を楽しむことで、様々な料理に触れることができます。

食事なんて何でもいい。と思っていると、毎日同じものを食べたり、早食いになったりしてしまいます。

外出する機会を作るなどして、食事を楽しむようにしてみてください。

栄養補助食品の活用

栄養補助食品には、五大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)をバランスよく含んでいる商品があります。

そんな商品を生活に取り入れるだけで、今より栄養素の不足が少なくなるでしょう。

ただし、栄養素が豊富に含まれている食品なだけに、取り扱いも難しいです。

かかりつけ医や管理栄養士などと相談しながら取り入れるようにしましょう。

また、当ブログ「補食ナビ」では栄養補助食品について、様々な角度から説明していますので、参考にしていただければ幸いです。

まとめ

低栄養は、食事量の減少や食事の偏りなどにより生じる状態の事です。

特に高齢者では、なりやすいため注意が必要です。

栄養バランスの良い食事や栄養補助食品の活用などで、低栄養対策をしてみましょう。
※栄養補助食品の多量摂取により、健康増進効果が得られるという事ではありません。



参考
高齢者の低栄養(健康長寿ネット)
・「多賀昌樹,山田哲雄,内山麻子,佐藤七枝.”加齢に伴う変化”/”高齢期の栄養アセスメントと栄養ケア”.- サクセス管理栄養士講座 – 応用栄養学 ーライフステージ別ー.第一出版,2017,50-51.145-147」