「フレイル」という言葉は聞いたことがあるけど、どういうものかわからない。
「フレイル」って何?
と思われていませんか?
この記事では、フレイルとは、特徴や原因、チェックリストなどについてお話しします。
目次
フレイルとは
フレイルとは、加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態である。
「フレイルの意義」荒井 秀典,日本老年医学会雑誌 51巻 6 号(2014:11)
フレイルは、「Frailty」の日本語訳であり、以前まではその直訳である「虚弱」が使用されてきたが、
虚弱だと「加齢に伴って不可逆的に老い衰えた状態」といった印象を与えてしまうことが懸念されていました。
「Frailty」には、適切な介入をすることにより生活機能の維持・向上を図ることに期待ができること、
「虚弱」では、身体的・精神的・社会的側面のニュアンスを十分に表現できていない可能性があることにより、
2014年から「虚弱」に代わって「フレイル」と表すことになりました。
要は、加齢により身体が衰えてしまったが、生活習慣の改善により回復できる見込みのある状態ともいえます。
フレイルの特徴
3つの要因と5つの基準
フレイルには「身体的」「精神心理的」「社会的」な要因があります。
様々な要因があるため、移動能力、筋力、認知機能、栄養状態、バランス能力、持久力、身体活動性、社会性などについて複数項目を合わせて評価する場合が多いです。
しかし、臨床の場でこれらすべてを把握するのは複雑であるという理由から、
「体重減少」「昜疲労感」「握力低下」「歩行速度低下」「身体活動性」の5項目の基準のうち、
3項目以上該当した場合を「フレイル」
1~2項目に該当した場合を「プレ・フレイル」
と評価する場合が多いです。
年齢とともにリスクが増える
いくつかの報告において、年齢とともにフレイルの頻度が増加することが示されています。
ヒトの筋肉量は30歳代から年間1~2%ずつ減少し、80歳ごろまでに約30%の筋力が失われます。
このような筋肉量の減少は骨密度のように加齢とともに低下傾向を示すものの個人差が大きいとされています。
そして、筋肉量の低下が歩行速度や握力の低下につながります。
また、加齢により消化・吸収能力が低下することなどにより食事摂取量が減り、フレイルのリスクが増加します。
健康障害を招きやすくなる
フレイルは、加齢に伴う様々な機能変化や生理的な予備能力の低下によって健康障害を招きやすい状態です。
転倒による骨折や、何らかの病気にかかりやすくなったり、ストレスに弱い状態になってしまいます。
また、フレイルはサルコペニア、生活機能障害、免疫異常、神経内分泌異常などが複合的に関与してくること、
高血糖との関連が示されていること、脳卒中、心不全などの心疾患、COPDなども関係すると考えられています。
回復する可能性がある
フレイルは、適切な介入をすることにより生活機能の維持・向上を図ることに期待ができます。
ただし、様々な要因によって発生するため、多面的な介入が必要であり、
「慢性疾患への管理」「栄養管理」「認知機能低下を含む精神心理面への対応」「機能低下への対応」などが重要です。
これらは医師を始めとした医療スタッフのみのサポートでは補いきれず、身近な人の支援が大切になってきます。
運動・栄養で予防が可能
研究報告により、運動、栄養によりフレイルが予防できることが明らかになっています。
適切な運動やタンパク質とビタミンDの摂取が重要と考えられています。
加齢によってフレイルのリスクは高まりますが、予防できるものでもあるので、高齢の方ほど実践するようにしましょう。
フレイル予防については、記事後方でもまとめています。
フレイルの原因
フレイルには様々な原因がありますが、
それらがさらに別の原因へとつながり、相互作用を促す悪循環ができてしまうことが大きな原因です。
各要因別に見ていきましょう。
身体的要因
・筋肉量の減少
→運動量の減少や転倒(骨折)のリスクが増加します。
・肺機能の低下
→息切れにより、活動量の低下や疲れやすさなどが生じてきます。
・歯の欠損
→食事摂取量低下や食欲減少により、低栄養になりやすくなります。
・内分泌機能の低下
→元気のもとであるホルモン分泌が低下し、倦怠感や睡眠障害などが起こります。
精神心理的要因
・記憶力、認知機能低下
→転倒(骨折)しやすくなることや、活動量の低下につながります。
・意欲の低下・うつ
→なにをするにもやる気が起きなくなってしまい、活動量の低下や食事摂取量の低下につながります。
社会的要因
・定年退職や引退
→生きがいや人とのつながりを失い、やる気・活力などが低下します。また、収入の減少により生活に制限がかかってしまいます。
・独居
→パートナーとの死別や子供の独立により、日常動作や会話が減り、活動量の低下や認知機能の低下が起こります。
フレイルチェック
フレイルをチェックする「イレブンチェック」というものがあります。
東京大学高齢社会総合研究機構・飯島勝矢氏らフレイル予防研究チームにより開発されたもので、
簡易的なチェックができるものです。
結果はいかがだったでしょうか?
このチェックでは、回答欄の右側に〇が付くほど、フレイルのリスクが高くなります。
※途中で「はい」と「いいえ」が逆になっている箇所がありますので注意してください。
フレイル予防
先ほどもお話ししましたが、
運動と栄養によりフレイルの予防ができることが明らかになっています。
運動
フレイルの進行にはサルコペニアが大きく関わっているため、
「筋力の減少」→「活動量減少」→「食欲低下・食事摂取量減少」→「筋力の減少」と悪循環が生まれてしまいます。
そこで、筋力の減少を防ぐ運動を取り入れることで、
筋力の維持・増加ができればフレイルの予防につながるとされています。
まずは、10分体を動かすことから始めてみましょう。
また、トレーニングジムなどの運動施設を利用することで社会とのつながりも生まれ、
精神心理的にも良い効果が期待できます。
スポーツジムや公営施設では、高齢者割引が受けられるためお得に利用してお得に健康を手に入れましょう。
栄養
栄養面も運動面同様に、サルコペニアへのアプローチが有効と考えられていることから、
筋肉や骨の健康に重要な、「たんぱく質」と「ビタミンD」の十分な摂取が大切です。
また、栄養素単体での考えではなく、
3食バランスよく食べることや、よく噛んで食べること、1日30品目以上の食材を食べることなども大切になってきます。
運動・筋トレをしていても、食事の質が悪いと筋肉が分解されてしまいます。
しっかりと食事を取って、運動をするようにしましょう。
また、「食事はしっかり食べているけど、これで大丈夫か不安だな」と感じている方には、栄養補助食品の活用もおすすめです。
メイバランスminiには、「たんぱく質」「脂質「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」がバランスよく配合されています。
1日の不足分を補うサポートをしてくれる商品ですので、健康な方でもフレイル予防として1日1本程度の活用がおすすめできます。
ただし健康で肥満体型の方は、摂取はお控えください。
まとめ
フレイルとは、加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態です。
フレイルには、「身体的」「精神心理的」「社会的」な要因があります。
詳細要因が様々あることから、臨床の場では「体重減少」「昜疲労感」「握力低下」「歩行速度低下」「身体活動性」の5項目の基準のうち、3項目以上該当した場合を「フレイル」と評価する場合が多いです。
また、加齢によりリスクが高くなり、フレイルになることで健康障害を招きやすくなってしまいます。
しかし、適切な介入により機能の維持・回復が可能であり、フレイルの危険の高い人でも生活習慣の改善により予防が可能です。
フレイルとなる原因に対して対策を行うことやチェックリストを活用し、自身の状態を確認することが大切です。
仮にフレイルのリスクが高い場合は、運動や栄養でしっかりと予防するようにしましょう。
栄養補助食品について
医師・栄養士の指導を受けている方は、指導に基づいて使用されることを推奨します。
また、栄養補助食品の多量摂取により、健康が増進するものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。
参考
「フレイルの意義」荒井 秀典,日本老年医学会雑誌 51巻 6 号(2014:11)