褥瘡対策での補食の活用は非常に重要な選択肢です。
通常の食事だけでは摂り切れない栄養素をしっかり摂ることで創傷治癒が促進する場合もあります。
この記事では、褥瘡対策におすすめの栄養補助食品を10商品ご紹介します。
目次
おすすめの選び方
エネルギー量の確認
褥瘡の予防・治療では、高エネルギーの確保が重要です。
食事摂取量が少ない方や体重が減少している方などでは特に重要なため、
エネルギーがしっかり摂れる補食を選ぶと良いでしょう。
たんぱく質量とその種類の確認
褥瘡の予防・治療では、高たんぱく質の確保も重要です。
たんぱく質は皮膚や肉芽を形成するためには必要不可欠な栄養素です。
また、たんぱく質のなかでは「コラーゲンペプチド」が創傷治癒に最も効果的と考えられているため、
「乳たんぱく質」ではなく「コラーゲンペプチド」を選ぶようにすると良いでしょう。
微量栄養素などの確認
褥瘡の治療には、いくつかの微量栄養素やその他栄養成分が効果的であると考えられています。
そのなかでも、亜鉛、ビタミンCに関しては日本人の食事摂取基準の推奨量を下回らないように摂取する必要があります。
また、アルギニンに関しては褥瘡のステージに合わせた投与により、効果が得られやすいとされています。
そのため栄養補助食品では、亜鉛・ビタミンC・アルギニンが強化された商品が多い特徴があります。
必要に応じて微量栄養素などが摂れるものを選ぶと良いでしょう。
医師・管理栄養士と相談する
褥瘡の栄養管理は専門的なため、ご家庭での使用を考えている方は医師・管理栄養士に相談すると良いでしょう。
町のクリニックなどには管理栄養士がいない場合が多いですが、やや大きめの病院では必ず常駐していますので、
管理栄養士のいる病院に受診するのも良いと思います。
10商品を比較
10商品を一覧で比較してみましょう。
おすすめ10選
それでは、一つひとつ細かく紹介していきます。
CP10はたんぱく質・ビタミン・ミネラルが高容量補給できる商品です。
さらに特別用途食品の表示許可を取得しており、「本品は褥瘡を有する方の食事療法として使用できる食品です。」と表示することができる唯一の商品ですので、困ったらコレを選んでおけば間違いないです。
CP10ゼリーには、「褥瘡の食事療法として~」といったような表記はありませんが、栄養成分はCP10とほぼ同じなので、CP10同様褥瘡の食事療法に用いることができます。
また、CP10ゼリーは特別用途食品・えん下困難者用食品の表示許可を取得しているため、嚥下能力の低下している人におすすめです。
アイソカルゼリーたんぱくプラスは、たんぱく質補給に特化した商品です。
他の褥瘡対策商品には、亜鉛などが高容量入っているものが多く、微量栄養素の過剰摂取が生じる恐れがあります。
しかしこの商品は、微量栄養素を多く含んでいないため、過剰摂取にならないようにたんぱく質だけを補給することができます。
そのため、他の補食と組み合わせて使うなどすると良いでしょう。
メイプロテインはたんぱく質・亜鉛・鉄の補給に特化した商品です。
喫食率が高くエネルギーの確保はできているが、たんぱく質強化もしくは微量栄養素の不足を補いたい場合に有効です。
ビタミンサポートゼリーは、亜鉛・ビタミンCの補給に特化した商品です。
たんぱく質の摂取は足りているが、亜鉛・ビタミンCが不足しないように栄養バランスを整えたい場合などに有効です。
また、特別用途食品・えん下困難者用食品の表示許可を取得しているため、嚥下能力の低下している人におすすめです。
くだものの栄養も、亜鉛・ビタミンCの補給に特化した商品です。
ビタミンサポートゼリーとほぼ同じような栄養配合ですが、飲み物のため食欲が無くても完食しやすいことが特徴ですので、食事摂取量が少ない方などにおすすめです。
アイソカルジェリーArgはアルギニン補給ができるゼリー商品です。
アルギニン補給ができるゼリー商品は少ないため、嚥下能力が低下している人でアルギニンを補給したい場合はこの商品が良いでしょう。
しかし、リンが高容量入っているため過剰摂取には注意が必要です。
エンジョイArginaは、亜鉛・ビタミンC・アルギニン補給に特化した商品です。
また、微量ではありますがコラーゲンペプチドも摂ることができます。
メイバランスArgは、蛋白質・アルギニンの補給に特化した商品です。
その他微量栄養素も含まれていますが、100%充足率を満たすほどでもないものが多い点が特徴です。
そのため、エンジョイArginaと組み合わせて使うことで、微量栄養素の過剰摂取を防ぎつつ、アルギニンをしっかり補給することができます。
メイバランスminiはバランス型のエネルギー補給商品です。
たんぱく質・ビタミン・ミネラル・アルギニン・n-3系脂肪酸など様々な栄養素が含まれている商品で、エネルギー補給目的の補食の中ではトップクラスに優れている商品です。
まとめ
褥瘡対策に有効な栄養補助食品についてまとめました。
褥瘡の栄養管理は状況に応じて必要策が変化していきますので、絶対にこの補食が良い!というようなものはありません。
必要に応じて補食を選択し、場合によっては組み合わせて使うときもあります。
また、使用の際は医師・管理栄養士の判断のもと、補食を選択することがベストです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
褥瘡予防・褥瘡治療の栄養管理に関しては、以下の記事で詳しくまとめていますので、そちらも参考にしてください。
【褥瘡予防】栄養管理のポイント 【褥瘡治療】栄養管理のポイント