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【栄養補助食品の特徴】商品タイプや用途など[管理栄養士解説]

「栄養補助食品と完全栄養食の違いは何ですか?」

「栄養補助食品にはどういうタイプの商品がありますか?」

などの疑問はありませんか?

この記事では、栄養補助食品の特徴について紹介していきます。

栄養補助食品の特徴を理解しよう

栄養補助食品は、高齢者や病者などでも使えるように咀嚼嚥下能力に配慮されているものが多いため、ゼリータイプの商品やとろみのある飲料タイプの商品が多いです。

また、その名前の通り、栄養を補助する目的の食品であるため、特定の栄養素が多く配合されています


一般にスーパーなどで販売されている健康食品との違いは、

咀嚼嚥下がしやすいか

栄養補給(エネルギー補給)のための商品か

という点が上げられます。


例えば、カロリーメイトやソイジョイなどは、硬くて高齢者や病者には不向きです。

また、完全栄養食は栄養素は入っているが、ダイエット目的にも使われるためエネルギーが低いものが多いです。


健康食品の中でも、栄養補助食品は主に「医療・介護」の現場で使われている食品だと解釈すれば大丈夫でしょう。

しかし、厳密に言うと栄養補助食品の定義は決められていないため、栄養補助食品と題して錠剤タイプのサプリメントなども販売されています。

この記事で言う栄養補助食品は、あくまで高齢者や病者などに有効活用される食品の事を指します。

高齢者向けの介護食も
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栄養補助食品の商品タイプ

栄養補助食品の商品タイプは大きく分けて、4つあります。

① 飲料タイプ

飲料タイプの商品は、食事と一緒に摂取しやすく栄養バランスの調整がしやすいです。

とろみのついている物ととろみのついていない物の2種類があります。

嚥下能力が低下している場合は、とろみのついている商品をおすすめします。

スプーンや食器が無くても飲めるような手軽な点が魅力です。

② ゼリータイプ

ゼリータイプの商品は、嚥下能力が低下している場合でも取り入れやすいです。

また、「学会分類2021」「特別用途食品・えん下困難者用食品」「ユニバーサルデザインフード」などの表記がされている商品もあり、ゼリータイプの中でも各個人の嚥下能力に合わせた商品を選ぶことができ、病者・被介護者を安心して見守ることができます。

飲料タイプの商品は咀嚼の必要がありませんが、ゼリータイプの商品は少なからず咀嚼をする必要があるため、咀嚼機能の維持にも役立ちます。

また、ゼリー商品のため、おやつとして気軽に食べる事もできます。

③ ゼリー飲料タイプ

普通の飲料タイプの商品より、嚥下がしやすく、

普通のゼリータイプの商品より、水分が多いことが特徴です。

嚥下困難者では水分補給が難しい場合がありますが、ゼリー飲料タイプの栄養補助食品を取り入れることで、栄養素も摂れて、水分も手軽に摂ることができます。

また、ゼリー飲料の商品はパウチタイプの商品であることが多く、ストローで吸うのが困難な方にも適しています。

④ 添加タイプ

栄養補助食品のような人工的に作られた商品を苦手だとする方もいます。

そんな方向けに、手軽にエネルギー補給できるように、

ペーストタイプ・粉末タイプ・液体タイプの商品があります。

ご飯や味噌汁、ヨーグルト、主菜など、普段の料理に添加することができ、取り入れやすいことが特徴です。

栄養補助食品を用途別に見てみよう

栄養補助食品は様々な用途があります。

各個人の使用目的に合わせて取り入れるようにしましょう。

エネルギー補給

一番多い用途が、「エネルギー補給」です。

特に高齢者や病者などで、食欲が低下している人や体重が減少している方などに適しています。

食事摂取量が減少するとエネルギー不足になってしまい、免疫力低下などの健康障害が生じてきます。

そうならないように、手軽にエネルギーを摂るために栄養補助食品を使用して、エネルギー不足を防ぎます。

たんぱく質補給

高齢者になると、筋肉量が減少してしまいます。

その結果、「サルコペニア」「フレイル」「ロコモ」などの健康障害が生じてきます。

筋肉量を維持する目的で、たんぱく質補給の栄養補助食品が使用されます。

また、食事摂取量が少ない方では、栄養状態の悪化を防ぐためにも、たんぱく質がしっかり入ってるエネルギー補給用の栄養補助食品が適しています。

ビタミン・ミネラル補給

寝たきりの高齢者では、「褥瘡(床ずれ)」が発生してしまう可能性があります。

褥瘡が発生した場合、亜鉛やビタミンCなどの栄養素が多く必要になるため、ビタミン・ミネラル補給ができる栄養補助食品が適しています。

また、鉄欠乏性貧血の方には鉄分がしっかり入っている栄養補助食品などが適しています。

このように、疾病対策として使用される場合が多いですが、単純に健康を意識して栄養素のバランスを整える目的で使用する場合もあります。

水分補給

高齢者では、喉の渇きを感じにくくなるため、水分補給を忘れてしまい脱水症になってしまう場合があります。

また、嚥下能力が低下している方などでは、水分補給がしにくく、その煩わしさから、水分補給をせずに脱水症になってしまう方もいます。

脱水症対策も兼ねて、水分補給ができる栄養補助食品もあります。

透析者向け

透析をしていると、ものすごい疲労感を感じる方が多いです。

その疲労感から、食欲が低下する方も多く、食事摂取量が減少してしまう場合があります。

しかし、透析者はカリウム、リンなどの栄養素の摂取を制限されているため、普通の栄養補助食品を使いにくいことが多いです。

そのような方向けに、カリウムやリンなどの配合量が調整された栄養補助食品があります。

迷ったときは、医師・管理栄養士に相談しよう

栄養補助食品の使用を検討しているが、どれがいいかわからないという場合は医師・管理栄養士などの専門家に相談しましょう

身近に相談できる人がいないという場合は、私が相談に乗ります。お問い合わせフォームよりご連絡ください。病院で約3年間管理栄養士として臨床栄養に携わっていたので少なからずアドバイスはできます。ただ、その際は限りなく詳細な情報を教えてください。

まとめ

栄養補助食品は「飲料」「ゼリー」「ゼリー飲料」「添加」タイプの商品があることが分かりました。

使用用途では「エネルギー補給」「たんぱく質補給」「ビタミン・ミネラル補給」「水分補給」「透析者用」などがあることが分かりました。

栄養補助食品を使用する際は、能力や用途に合わせて適切な選択をするようにしましょう。




医師・栄養士の指導を受けている方は、指導に基づいて使用されることを推奨します。
また、栄養補助食品の多量摂取により、健康が増進するものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。